ルターと親鸞はなぜ、かくも似ているのか。
キリスト者が禅に共感するのはなぜか。
「初めに神が・・・・・・」で幕を開ける聖書。唯一信仰に生きるキリスト教と、そもそも神を定立しないところから人間を語り始める仏教との間に対話は存在するのか。多くのキリスト者を悩ませてきたこの難題に「霊性」という観点から相互理解と交流の可能性を探った渾身の書。
【主な目次】
はじめにーーキリスト教徒仏教との霊性の比較は可能か
第1章 東西の宗教における霊性の展開
第2章 東西の霊性における二類型
第3章 キリスト教における霊性の特質
第4章 日本仏教における霊性思想の創造
第5章 キリシタンと近代日本のキリスト教霊性思想
第6章 日本の霊性思想の比較考察
第8章 霊性の共通性と相違性
あとがき
参考文献
ルター円熟期の詩編解釈
宗教改革者としての試練と闘いの中でルターを支えた詩編の言葉。生涯を通して詩編を愛したルターが、慰めに満ちたメッセージを説き明かし、独自のキリスト論的、人間的な考察を展開する。信仰の旅路を導く珠玉の3篇を収録。
本書はアウグスティヌスの『ヨハネによる福音書講解説教』の第二分冊であり、ヨハネ福音書六章一節から一二章五〇節までを講解した説教である。
そこには第一分冊に続く第二四説教から第五四説教にいたる三一編の説教が連続して行われている。
ここに訳出された講解説教はアウグスティヌスの著作のなかでも特別にすぐれた内容をもっている。
この著作に鮮明に現れている彼の姿は、何よりもまず聖書の音信に忠実に耳を傾ける神学者のそれであり、また彼は聖書のことばを民衆の心に深く刻みながら、その正しい理解に至るように熱心に語りかけている。
彼の語りは平明であり、しかも退屈させない。
そこには道徳的なお説教といった感じはまったく見当たらない。
むしろ、当時恐るべき勢力をもっていた多くの異端と分派に対決し、激しいまでの論戦をどこまでも遂行し、徹底的な批判を行っている。
その気迫にわたしたちは圧倒されてしまうのであるが、キリスト教の真理を不動のものとしようとする燃ゆるような愛が感じられる。(「はしがき」より)
"アウグスティヌス著作集24 ヨハネによる福音書講解説教2" の最低購入数は 1 です.
最後の晩餐におけるイエスによる弟子たちの洗足、ユダの裏切りの予告、ペトロの否認の予告、弟子たちへの最後の説教、イエスの祈りなどを経て、イエスの逮捕・裁判、十字架上の処刑、復活へと至り、甦ったイエスがティベリアス湖畔でペトロたちに現れるまでの物語を含む、緊迫したドラマの展開を思わせる説教の連続。
聖書講解の金字塔「ヨハネによる福音書講解説教」全三冊の完結篇。
"アウグスティヌス著作集25 ヨハネによる福音書講解説教3" の最低購入数は 1 です.
"キリスト教神秘主義著作集1 ギリシア教父の神秘主義" の最低購入数は 1 です.
「二つの愛が二つの国を造った」
古代教会最大の思想家アウグスティヌスの畢生の大作であり、その後のヨーロッパ思想の歴史観・国家観に多大な影響を及ぼした『神の国』。アウグスティヌス研究の第一人者である著者が、その『神の国』が執筆された時代背景、全体構想、そして基本思想を分かりやすく解説した最良の入門書。
宗教改革者ルターは同時に教育改革者でもあった。
本書では、十六世紀の時代状況を踏まえながら、大学教育の改革と義務教育の振興に積極的に関わり、さらに自ら宗教教育の実践に参画したルターの教育思想の特徴を明らかにし、その今日的意味を再検討する。
[目次]
1章 十六世紀前半の精神史的状況
2章 宗教改革と教育事業
3章 教育改革の展開
4章 宗教教育の方法
5章 ルターが受けた教育と精神的発展
6章 教育の人間学的基礎
7章 ルター教育思想の現代的意義
"教育改革者ルター" の最低購入数は 1 です.
ルターにとって「福音」とは、書かれた文章によってではなく、口で語られる説教によってこそ伝えられるものであった。
ルターは、牧師や家長が民衆や家族に向かって説教することができるために、手本となる説教集をヴァルトブルク城で書き始める。
ルター自身の手になる本書は、ゴーガルテンが『教会標準説教集』から精選したものを元に、ヴァイマール版から直接翻訳した10編の説教からなる。
いずれもルターの最盛期の力強い説教であり、信仰による義認が明確に語られる。
1545年のラテン語版説教集から挿絵を3枚挿入。
"ルター教会暦説教集" の最低購入数は 1 です.
古代教会最大の思想家アウグスティヌスの代表作の一つであり、西欧の国家論・歴史哲学理論の形成に大きく寄与した記念碑的大著の全訳。
上巻(第1巻 ─ 第13巻)では異教徒からの非難に対する弁証論を中心に、世俗史である「地の国」の歴史を論じる。
「キリストのからだ」である信徒に語られた詩編
キリスト教への迫害が終わり、ドナトゥス派やペラギウス派などの異端問題につねに悩まされていた教会で、アウグスティヌスは会衆に「兄弟たち」と絶えず呼びかけ、聖書の言葉を「キリストのからだ」である信徒の信仰生活に具体的に応用すべく努力した。その場の会衆の理解度や興味に応じて、緩急自在に即興的表現も交えて行われた第76-100編の説教を収録(第77、78、81、82、87、89編は書き下ろし)。
キリスト教信仰の中核に位置し、宗教の根本をなす「霊性」とは何か。
「霊・魂・身体」の人間学的三分法を基礎にして、ギリシア思想から現代まで、2 千年間の霊性思想の展開を辿る。
終章では、現代人が直面する精神的危機の 由来を明らかにし、世俗化時代における霊性復権の道を問う。
序章 キリスト教霊性の一般的な特徴とその形態
1 ギリシア人の知恵と精神活動
2 聖書の霊性思想とフィロン
3 オリゲネス、ニュッサのグレゴリオス、東方教会の霊性
4 アウグスティヌスとディオニュシオス・アレオパギテース
5 ベルナール、ヒルデガルト、フランチェスコ
6 トマス・アクィナスとボナヴェントゥラ
7 ベギン運動とダンテ
8 ドイツ神秘主義の霊性運動の展開
9 「新しい敬虔」運動とエラスムス
10 ルター、霊性主義者たち、カルヴァン
11 イグナティウス、テレサ、十字架のヨハネ
12 ヴァイゲル、ベーメ、パスカル
13 バニヤンとバクスター
14 シュペーナー、エーティンガー、テルステーゲン
15 レッシングとカント
16 シュライアマッハーとキルケゴール
17 ウェスレーとニューマン
18 シェーラーとプレスナー
19 現代のキリスト教における霊性思想
終章 霊性機能の現象と世俗化の問題
"キリスト教霊性思想史" の最低購入数は 1 です.
"アウグスティヌス著作集 別巻2 書簡集2" の最低購入数は 1 です.
本書はアウグスティヌスの『ペラギウス派駁論集(2)』として「恩恵と自由意志」、「譴責と恩恵」、「聖徒の予定」、「堅忍の賜物」の四つの著作を収録する。
これらの最晩年の四著作は一般にはセミ・ペラギウス主義を批判したものとみなされている。(略)
これらの著作の後に彼はペラギウス主義者ユリアヌスを批判した『未完書・ユリアヌス論駁』に取りかかっているが、完結した著作としてはここに訳したものが最後となった。(「はしがき」より)
恩恵と自由意志(小序、本書著述の動機/聖書は自由意志の存在を明らかに説いている/善いわざに対する恩恵の必然性/ペラギウスの功績主義に対する批判/永遠の生命は恩恵に対する恩恵である/神の義の正しい理解/恩恵による自由意志の自由/意思に対する神の摂理 ほか)
譴責と恩恵(挨拶と神の恩恵の必要性/神の恩恵と人間の自由/譴責の有効性について/譴責に反対する者たちの抗議/抗議への回答。譴責の効用について/窮めがたい神の審判について/譴責には祈りが伴わなければならない ほか)
聖徒の予定(聖徒の予定について著述する動機/信仰の開始は神の恩恵である。高慢に対する警告/初期の信仰についての批判的吟味/恩恵・予定・予知の関係/イエス・キリストにおける予定と恩恵/選びは信じたからではなく、信じるために生じる ほか)
堅忍の賜物(終わりに至るまでの堅忍は、神の賜物である。聖書の証言、主の祈りがそれを証している/主の祈りについての結論/『自由意志』のための弁明/昔の作家たちは、予定を単に予知と言うこともあった/『譴責と恩恵』で主張したことは新しいことではない ほか)
"アウグスティヌス著作集10 ペラギウス派駁論集2" の最低購入数は 1 です.
性欲は悪か?
ペラギウス派最大の論的ユリアヌスは、アウグスティヌスの書『結婚と情欲』を批判して『トゥルバンティスへ』全四巻を著わした。
本書はそれに対する詳細な反論であり、古代教父の思想をたどりつつ、原罪・悪。情欲・結婚の問題をめぐって、激しい論争が戦わされる。
ここでのアウグスティヌスの思想は、その後のキリスト教世界の結婚観に重大な影響を与えることになった。
"アウグスティヌス著作集30 ぺラギウス派駁論集4" の最低購入数は 1 です.
現在知られているアウグスティヌスの書簡 252 通のうち、ほぼ四割に及ぶ101 通を選んで 2 冊に収録。
第1 冊目にはミラノの回心(386 年)から、ゴート族によるローマ攻略(410 年)までの時代の書簡を収録。
アウグスティヌスの生きた時代を知る上で貴重な史料であるばかりでなく、書簡を通して重要な教理的・ 倫理的問題について論じたアウグスティヌスの思想を理解する上でも不可欠な文書として、読み継がれ、 研究されてきた。
書簡集(1)には、ヒエロニュムスとの往復書簡や「三位一体について」など、これまでほとんど翻訳されることのなかった重要な作品が多数含まれている。
"アウグスティヌス著作集 別巻1 書簡集1" の最低購入数は 1 です.
"宗教改革者たちの信仰" の最低購入数は 1 です.
ルター、アウグスティヌスを中心とした積年の研究と思索の結実として生まれ、簡潔にして要点を押さえつつ展開された、キリスト教倫理のエッセンスをたくみに抽出して際立たせた、手がたい入門書。
教科書に最適!
第一章 キリスト教倫理とは何か(一般倫理との関係/神と世界のあいだに立つ人間/世俗化したキリスト教の問題 ほか)
第二章 神の前に立つ人間(「神の前」という宗教的規定/人間のうちにある「霊」/神と人との「契約」 ほか)
第三章 律法と福音(古い契約思想とのイエスの対決/イエスの神の国思想/山上の説教の倫理思想 ほか)
第四章 義認と聖化(「神の義」についての理解/義認における「成義」と「宣義」/義人にして同時に罪人 ほか)
第五章 神律倫理(自律と神律/自由意志と奴隷意思/神律的自由から理性的自立へ ほか)
第六章 愛の秩序(エロースとアガペー/「愛の秩序」の思想/「愛の秩序」の発展と批判 ほか)
第七章 文化の諸問題(文化と宗教/学問と科学/経済倫理 ほか)
"キリスト教倫理入門" の最低購入数は 1 です.
宗教改革が勃発するきっかけとなった「95カ条の提題」をはじめ、生涯に60の討論提題を残したルター。
これらは、彼の宗教改革的神学の形成や立場を明らかにしており、その全貌を理解するには欠かすことのできない大切な資料である。
その中から特に重要なものを選んで収録。
読者の理解の手助けとなる「注」と「解説」付。
"ルター神学討論集" の最低購入数は 1 です.
神話の舞台からロゴスの世界へ。その豊潤な道行きを追跡する!
わたしたちが歴史を研究するのは、ほかならぬ現代を知るために過去にさかのぼるのであって、現在の問題が歴史においてどのように起こってきたかと、問題史的に考察するためである。私たちが過去の文化的遺産を摂取して、今日に生きる意義を見いだし、文化的価値を創造的に発展させて行くに際し、歴史研究は不可欠の仕事となっている。(本書より)
【目次】
序論 キリスト教思想史は人間学の宝庫である――「キリスト教思想史の諸時代」への序として
1 ヨーロッパ思想の三つの柱
「談話室」源泉志向ad fontesの意味
2 ギリシアにおける哲学の起源
「談話室」タレスと婦人たち
3 神話からロゴスの世界へ
「談話室」プラトンは観念論者か
4 ダイモーン信仰とその批判
「談話室」ホメロス物語の守護神
5 聖書の神秘思想
「談話室」キリスト神秘主義
6 神の属性としての聖性
「談話室」「わたしはありてあるものである」の解釈
7 霊性の物語的表出
「談話室」オイディプスとイエス
8 聖書における神とサタン
「談話室」アウグスティヌスとミルトンの『失楽園』
9 キリスト教教父の神秘思想
「談話室」受肉の神学と神化の思想
10 キリスト教と古典文化
盟友ルターとの対決で知られる稀代の人文主義者。その計り知れない知性の泉を、主著を足がかりに広汎に探る。
エラスムスの神学に基礎にある信仰について述べておきたい。エラスムスの神学の基礎には『エンキリディオン』や『痴愚神礼讃』で説かれた根本思想があって、「目に見えるものから見えないものへ」という超越の思想として述べられた。彼の神学の基礎には、わたしたちの目を地上的事物の諸価値から天上的なものに向けさせていく信仰の超越が説かれている。ここには人間的な価値を根源的に変革する信仰の働きが認められる。(本文より)
若き日の取り組みから70年を経て、ついに完成した『三位一体論』の詳細なコメンタリー。古代キリスト教最大の成果であるこの教義を[カリタス=聖い愛]の本性から解明した書。
三位一体の類似像を発見する手引きとなっているのが愛の現象であり、この愛が知性を媒介にしてその存在構造が解明されたことがここに明らかになった。しかも愛の本性は対象に向かいながら同時に自己に向かっている。……アウグスティヌスの説く聖い愛カリタスは神への愛と自己への愛とを一つに融合させた統合体となっている。(本書より)
"キリスト教思想史の諸時代 別巻2 アウグスティヌスの『三位一体論』を読む" の最低購入数は 1 です.
本書はアウグスティヌスの『ドナティスト駁論集』として「洗礼論」と「ドナティスト批判」の二つの著作を収録する。
「洗礼論」全七巻は四〇〇年に書かれたもので、ドナティスト駁論の著作中もっとも規模が大きく、内容的にも重要なものである。
また「ドナティスト批判」は原題には「ドナティスト匡正についての著作」が与えられている『手紙』一八五であって、この論争の全体が要約された報告書として価値が高いものである。
【洗礼論】
第一巻 教会外で受けた洗礼の価値について(本書の二つの目的。洗礼と叙階のサクラメントの不滅性/教会分離派のもとで受けた洗礼の有益性について/カトリックとドナティストの主張の相違点/ドナティスト内部の分裂/洗礼が正しく授与されない理由/同一の母から出た二つの国 ほか)
第二巻 聖キプリアヌスにより示された教会統一に対する愛について(主題の反復、ペテロとパウロの場合/真理の発見には長期間の成熟を必要とする/なぜキプリアヌスは自説を強く弁護したか/ドナティストの頑固さの原因/兄弟的一致の力/洗礼を受けないことより再洗礼は重い罪か ほか)
第三巻 聖キプリアヌスの手紙(第七三)の分析(キプリアヌスが教会の一致に示した愛/教会は異端者に再洗礼をしなかったとき滅びたか/普遍的教会の慣習/慣習か理性か/異端者の中で受けた洗礼は罪の赦しをもたらすか ほか)
第四巻 キプリアヌスの手紙の続きに対する分析(パラダイスの比喩による洗礼と永遠の至福との関係/異端者たちの授けた洗礼の有効性および神の宮について/教会の内にいる悪意にみちた宣教者について/嫉妬の悪意についてのキプリアヌスの見解/幼児洗礼と肉の割礼との比較考察 ほか)
第五巻 キプリアヌスの手紙七三の終わりの部分および七一、七〇、七四の分析(異端からの復帰者に再び洗礼をしなかったので教会は亡びたのか/分離派に対するキプリアヌスの態度と彼について論じる意義/マクシミアヌス派の事件、再洗礼に対する拒絶/キプリアヌスの論説に対する賛辞/教会の秘義について ほか)
第六巻 カルタゴ会議の決議についての分析(これまでの考察の要約、キプリアヌスの賛美すべき点と拒否すべき点/教会の中にいる悪人と善人/教会の外で受けた洗礼は救いに役立たないか/罪人による洗礼には罪の赦しがないのか/アンチ・クリストとはだれのことか/異端者の洗礼は死をもたらすのか ほか)
第七巻 カルタゴ教会会議の決議の分析(キプリアヌスの教会統一への愛と彼の誤謬/背教者の非難に対する回答/洗礼はカトリック教会にのみ属するのか/異端者には神が共におられないのか/天から与えられる洗礼/具体的内容のない真理を説いても無益である/説明のない意見には・・・ ほか)
【ドナティスト批判──またはアウグスティヌス『手紙』一八五】
第一章 ドナティストとの争点とカエキリアヌスの叙階の問題
第二章 迫害と殉教者との関係、および俗権はいかに要請されるべきか
第三章 ドナティストの常軌を逸した殉教熱
第四章 ドナティストの反乱、マクシミアヌス事件、カトリック教会の窮地
第五章 時代の相違により俗権への対し方も異なる。時代の秩序について
第六章 ドナティストに対する権力の強制的行使は主の模倣に従うものである
第七章 俗権介入を要請した事情、マクシミアヌスの迫害、カトリック教会の復旧
第八章 法令発布による救助活動の意義
第九章 ドナティストの教会の財産に関する管理の問題
第一〇章 悔改めて復帰する者を受け容れる母なるカトリック教会
第一一章 聖霊に逆らう罪とは何か。結びのことば
"【在庫僅少】アウグスティヌス著作集8 ドナティスト駁論集" の最低購入数は 1 です.
本書はアウグスティヌスの『ペラギウス派駁論集』上として「霊と文字」、「自然と恩恵」、「人間の義の完成」の三つを収録する。
これらの著作は四一二年から一五年にかけて連続して書かれたものである。
「罪の報いと赦し」三巻がペラギウス派駁論の第一作であり、本書の三著作はこれに続く第二、第三、第四作である。
これらの作品にはペラギウスとカエレティウスの名前は、彼らが邪説をあらため信仰に帰る願いをこめて、一度も出てきていない。
しかし、ペラギウス主義に対決していることは終止明らかである。
三つの著作のなかでももっとも有名であり、後代への影響が多大であったのは「霊と文字」であり、この著作はアウグスティヌスの恩恵論を論争的でなく静かな情熱をもって見事に展開している。
それに対し他の二つの著作は真剣な対決と批判の書である。
「自然と恩恵」はペラギウスの著作「自然について」から問題となる文章を多数引用し、これを逐一吟味し、その誤りを指摘している。
また「人間の義の完成」はカエレスティウスの「定義集」といわれる命題集をほぼ全体にわたって引用し、これに対し可能な限り短い文章をもって反論を加えている。(「はしがき」より)
"【在庫僅少】アウグスティヌス著作集9 ペラギウス派駁論集1" の最低購入数は 1 です.
本書はアウグスティヌスの『ペラギウス派駁論集』第三集として『罪の報いと赦し、および幼児洗礼』全三巻、『キリスト教の恩恵と原罪』全二巻、『ペラギウス派の二書簡駁論』全四巻の三著作を収録する。
『罪の報いと赦し、および幼児洗礼』はペラギウス派駁論の注目すべき第一作であるが、『キリストの恩恵と原罪』はペラギウスとその弟子カエレスティウスに対する異端が確定したさいに書かれたものであり、アウグスティヌスの恩恵論を一応整理して提示したものである。
しかるにその直後、エクラヌムの司教ユリアヌスを筆頭に教皇の回勅に同意しなかった司教たちの反論が巻き起こり、論争はさらに広がっていく。
この反論が二つの手紙で知られるようになり『ペラギウス派の二書簡駁論』が書かれた。
このユリアヌスとの論争は『ユリアヌス駁論』全六巻と大作『未完のユリアヌス駁論』にまで続いている。(「はしがき」より)
"アウグスティヌス著作集29 ペラギウス派駁論集3" の最低購入数は 1 です.