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説明
本書はアウグスティヌスの『ペラギウス派駁論集』上として「霊と文字」、「自然と恩恵」、「人間の義の完成」の三つを収録する。
これらの著作は四一二年から一五年にかけて連続して書かれたものである。
「罪の報いと赦し」三巻がペラギウス派駁論の第一作であり、本書の三著作はこれに続く第二、第三、第四作である。
これらの作品にはペラギウスとカエレティウスの名前は、彼らが邪説をあらため信仰に帰る願いをこめて、一度も出てきていない。
しかし、ペラギウス主義に対決していることは終止明らかである。
三つの著作のなかでももっとも有名であり、後代への影響が多大であったのは「霊と文字」であり、この著作はアウグスティヌスの恩恵論を論争的でなく静かな情熱をもって見事に展開している。
それに対し他の二つの著作は真剣な対決と批判の書である。
「自然と恩恵」はペラギウスの著作「自然について」から問題となる文章を多数引用し、これを逐一吟味し、その誤りを指摘している。
また「人間の義の完成」はカエレスティウスの「定義集」といわれる命題集をほぼ全体にわたって引用し、これに対し可能な限り短い文章をもって反論を加えている。(「はしがき」より)