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説明
本書はアウグスティヌスの『ドナティスト駁論集』として「洗礼論」と「ドナティスト批判」の二つの著作を収録する。
「洗礼論」全七巻は四〇〇年に書かれたもので、ドナティスト駁論の著作中もっとも規模が大きく、内容的にも重要なものである。
また「ドナティスト批判」は原題には「ドナティスト匡正についての著作」が与えられている『手紙』一八五であって、この論争の全体が要約された報告書として価値が高いものである。
[目次]
【洗礼論】
第一巻 教会外で受けた洗礼の価値について(本書の二つの目的。洗礼と叙階のサクラメントの不滅性/教会分離派のもとで受けた洗礼の有益性について/カトリックとドナティストの主張の相違点/ドナティスト内部の分裂/洗礼が正しく授与されない理由/同一の母から出た二つの国 ほか)
第二巻 聖キプリアヌスにより示された教会統一に対する愛について(主題の反復、ペテロとパウロの場合/真理の発見には長期間の成熟を必要とする/なぜキプリアヌスは自説を強く弁護したか/ドナティストの頑固さの原因/兄弟的一致の力/洗礼を受けないことより再洗礼は重い罪か ほか)
第三巻 聖キプリアヌスの手紙(第七三)の分析(キプリアヌスが教会の一致に示した愛/教会は異端者に再洗礼をしなかったとき滅びたか/普遍的教会の慣習/慣習か理性か/異端者の中で受けた洗礼は罪の赦しをもたらすか ほか)
第四巻 キプリアヌスの手紙の続きに対する分析(パラダイスの比喩による洗礼と永遠の至福との関係/異端者たちの授けた洗礼の有効性および神の宮について/教会の内にいる悪意にみちた宣教者について/嫉妬の悪意についてのキプリアヌスの見解/幼児洗礼と肉の割礼との比較考察 ほか)
第五巻 キプリアヌスの手紙七三の終わりの部分および七一、七〇、七四の分析(異端からの復帰者に再び洗礼をしなかったので教会は亡びたのか/分離派に対するキプリアヌスの態度と彼について論じる意義/マクシミアヌス派の事件、再洗礼に対する拒絶/キプリアヌスの論説に対する賛辞/教会の秘義について ほか)
第六巻 カルタゴ会議の決議についての分析(これまでの考察の要約、キプリアヌスの賛美すべき点と拒否すべき点/教会の中にいる悪人と善人/教会の外で受けた洗礼は救いに役立たないか/罪人による洗礼には罪の赦しがないのか/アンチ・クリストとはだれのことか/異端者の洗礼は死をもたらすのか ほか)
第七巻 カルタゴ教会会議の決議の分析(キプリアヌスの教会統一への愛と彼の誤謬/背教者の非難に対する回答/洗礼はカトリック教会にのみ属するのか/異端者には神が共におられないのか/天から与えられる洗礼/具体的内容のない真理を説いても無益である/説明のない意見には・・・ ほか)
【ドナティスト批判──またはアウグスティヌス『手紙』一八五】
第一章 ドナティストとの争点とカエキリアヌスの叙階の問題
第二章 迫害と殉教者との関係、および俗権はいかに要請されるべきか
第三章 ドナティストの常軌を逸した殉教熱
第四章 ドナティストの反乱、マクシミアヌス事件、カトリック教会の窮地
第五章 時代の相違により俗権への対し方も異なる。時代の秩序について
第六章 ドナティストに対する権力の強制的行使は主の模倣に従うものである
第七章 俗権介入を要請した事情、マクシミアヌスの迫害、カトリック教会の復旧
第八章 法令発布による救助活動の意義
第九章 ドナティストの教会の財産に関する管理の問題
第一〇章 悔改めて復帰する者を受け容れる母なるカトリック教会
第一一章 聖霊に逆らう罪とは何か。結びのことば