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説明
本書はアウグスティヌスの『ヨハネによる福音書講解説教』の第二分冊であり、ヨハネ福音書六章一節から一二章五〇節までを講解した説教である。
そこには第一分冊に続く第二四説教から第五四説教にいたる三一編の説教が連続して行われている。
ここに訳出された講解説教はアウグスティヌスの著作のなかでも特別にすぐれた内容をもっている。
この著作に鮮明に現れている彼の姿は、何よりもまず聖書の音信に忠実に耳を傾ける神学者のそれであり、また彼は聖書のことばを民衆の心に深く刻みながら、その正しい理解に至るように熱心に語りかけている。
彼の語りは平明であり、しかも退屈させない。
そこには道徳的なお説教といった感じはまったく見当たらない。
むしろ、当時恐るべき勢力をもっていた多くの異端と分派に対決し、激しいまでの論戦をどこまでも遂行し、徹底的な批判を行っている。
その気迫にわたしたちは圧倒されてしまうのであるが、キリスト教の真理を不動のものとしようとする燃ゆるような愛が感じられる。(「はしがき」より)