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一五二五年、宗教改革の渦中、幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した。異端として迫害されながらも聖書の教えを守り、非暴力を貫いた彼らの信仰は、戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか。メノナイト、アーミッシュ、良心的兵役拒否、被爆者の日米交流まで、五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る。
【目次】
はじめに――再洗礼派というマイノリティ
第1章 複数の宗教改革
1 中世までのキリスト教
2 ルターとドイツ宗教改革
3 ツヴィングリとスイス宗教改革
4 再洗礼派の誕生
第2章 迫害と離散――ヨーロッパの片隅で
1 二一世紀のウクライナ
2 迫害・殉教・ノンレジスタンス
3 ザトラーの殉教
4 愛敵と赦しの精神
5 兵士の改宗と亡命
第3章 追跡する国家
1 ベルンの再洗礼派狩り
2 アルザス移民とアーミッシュの誕生
3 クライヒガウの定住地
4 集団追放の試練
第4章 新天地アメリカ
1 ドイツ人のメイフラワー
2 アーミッシュの定住
3 ノースキルの悲劇
4 アメリカ独立戦争
第5章 近代国家と徴兵制
1 「先進国」フランス
2 軍国化するドイツ
3 スイスとオランダの変化
4 南北戦争によるアメリカの分断
第6章 両大戦の試練
1 ドイツ・メノナイトとナショナリズム
2 ロシア・メノナイトの苦難
3 アメリカの代替役務制度
第7章 核の時代の非暴力主義
1 ある被爆者の訪米とメノナイト宣教師の来日
2 国際化する人道支援事業
3 良心的兵役拒否の合法化
4 ノンレジスタンスの代償
5 ガザに平和を
終 章 ノンレジスタンスの限界と可能性
1 イエスは抵抗を教えたか
2 古今東西の平和思想・戦争論
3 ノンレジスタンスの限界と可能性
あとがき
図版出典
参考文献