西山俊彦神父のご芳文はいつもながら核心をついています。イエスへの信仰をもとにする時、世界諸国民の「平和に共存する権利」が憲法解釈の中心に置かれ、それがメタノイヤ(悔い改め)の問題だからです。 武者小路公秀 (「招き」より)
【目次】
前言
招き 世界人類の平和に生存する権利を確立しよう 武者小路公秀
はじめに―靖国神社無断合祀取消し訴訟がいつ何どき却下されかねない事態回避のために
第1部 ささやかな、身をもってする提言
第2部 戦争ではなく平和を(1)―戦争の酷たらしさ―
第3部 戦争ではなく平和を(2)―平和憲法と解釈改憲の歴史―
第4部 平和の心―普遍的平和理念(科学と宗教)の理想と実態―
結語に代えて
隣国からはミサイルが飛び、核実験が繰り返される。自国を第一と考える指導者たちは、力には力で対抗すると声尾を張り上げ拳を振り回す。戦争が起こるのではないかという不安を抱きながらも多くは現実の生活に追われそれどころではない。無関心という沈黙の中で、石ころが叫びだす。ポスト戦後70年の道しるべとなるエッセイ集。
『イラクのキリスト教』待望の続編!
2003年以降、イスラム過激派によって迫害されたイラクのキリスト教徒。
その窮状を明らかにし、国際社会の取り組みを紹介する。
[目次]
序章 イラクのキリスト教徒──2003年以降
第一章 キリスト教共同体の状況──2005年より2009年まで
第二章 十字架の道──2010年より2016年まで
第三章 テロリストに対する取り組み
終章 要約と結論
"『イラクのキリスト教』別冊 十字架の道を辿る" の最低購入数は 1 です.
教会は、何のために、どのような時に「抵抗」すべきか―― 信仰の先達が正当な権利とした「抵抗権」をローマ人への手紙13章からとらえ直しつつ、日本で、また世界で、戦時下実際に「抵抗」したキリスト者の姿から、この地上に置かれた教会に与えられたその権利と義務を問う。
はじめに 小寺肇
近代日本とローマ書13章――宮田光雄の論考から寺尾喜七まで 山口陽一
ローマ人への手紙13章の釈義、並びにこれをめぐる考察 登家勝也
ボンヘッファーの抵抗権思想 野寺博文
御国の民として生きる――学生として考える、キリスト者と日本社会 桑島みくに
スピーチ 差別をやめて、共に生きよう 中根寧生
1945年、広島。爆心地から350mの至近距離で被爆した居森清子さんは、原爆症に苦しみながらも69歳で語り部となり、戦争や核兵器の罪深さを伝え続けた。清子さんの死後、夫である公照さんがその遺志を継承。語り部としての活動と、本書を手がけた。図や写真をふんだんに使用し、「日常に起きている戦争」をイメージしやすく工夫。「戦争が人生をどう変えるのか」を、実体験からリアルに読み解く。
聖書が語る平和とは何か? それはどのように実現されるのか?
争いが絶えない現代社会において、教会が果たすべき使命とは何か?
現代を代表する旧約聖書学者が描き出す「シャロームの神学」!
第1部 シャロームについてのヴィジョン
1 ヴィジョンに向かって生きる/2 「持てる人々」と「持たざる人々」のためのシャローム
第2部 自由についてのヴィジョン
3 自由と統合としてのシャローム/4 れんが工場での出来事/5 物語が何をすべきかを伝える
第3部 命令についてのヴィジョン
6 命じることと食べること/7 平和は贈り物であり任務である/8 平和はシャロームの契約である/9 宗教と政治を結びつける
第4部 シャロームの教会
10 教会、それは自由にされた世界/11 新しさ、それは教会のメッセージ/12 シャロームの道具/13 シャロームの教会
イエスの福音は非暴力を呼びかけている。暴力のあふれる世界のただ中でイエスに従おうとした多数の福音の証人たち。その生き方に学び、創意に満ちた非暴力の可能性を追求する。
【目次より】
1 イエスの最後の言葉
2 平和の「八至福」
3 私たちの神のイメージ
4 キング牧師の大胆な非暴力
5 道徳的リーダーシップ――エリャクリア、チャベス、ベリガン
6 ノーベル平和賞の受賞者たち
7 ヘンリ・ナウエンの平和の霊性
8 デニーズ・レバトフの平和を作り出す詩
9 ジョーン・バエズ 平和を求める歌声
10 ビル・オドネル 平和を作り出す司祭
11 ティク・ナット・ハンとの静修会
12 ゾフィー・ショルと白バラ
13 フランツィスカとフランツ・イェーガーシュテッター
14 トマス・マートンの知恵
15 サンタフェ・ナイン
新ブックレットシリーズ“カイロスブックス”始動 記念すべきシリーズ第1弾
「改憲」についてキリスト者の立場から何を考えればいいのか。自民党改憲草案と現行憲法を比較しつつ、この国が今どこに向かって行こうとしているのかを考える。私立の教師たちを前に語った講演をまとめたもの。
軍事基地がもたらす命の軽視に抗う思いから、キリスト者が立ち上がり、ゲート前で非暴力の基であるゴスペルの歌をもって始まった会。沖縄に呼応して全国各地に広がりを見せているこの六年の歩みを綴る。書き込まれたブログや、集会記録、参加者の声も合わせ、基地のない平和な世界を祈り求める。
若者たちへ――子どもにも、人生を決めなければならない時がある。
ナチの学校への進学を推せんされたデーケン少年は言った、「ぼくは、行きません」―― わずか12歳の少年が命がけで選んだ道、それは「生と死を考える」原点となった。死生学者デーケン神父の少年時代を、同時代を生きた彫刻家、池田宗弘が描く。妹の死、機銃掃射で九死に一生を得たこと――後の思想と実践につながる少年時のエピソードを、心の奥に届く絵物語に。 オールカラー [小学校高学年から大人まで]
なぜキリスト教徒は戦争に強いのか? なぜキリスト教圏とそこから派生した世俗国家が覇権を制しているのか? そして、西欧とイスラームの衝突の思想的な原因はどこにあるのか? 本書は、この大きな「なぜ?」に答えを提示している。西欧思想に通じた社会学者とイスラーム学者による、互いの立場に妥協せずに展開されるスリリングな対話からは、紛争の時代を見通す智慧が見えてくる。 一神教とその社会、そして戦争の関係を考察する文明論の決定版。
第1章 戦争観の違い イスラームvsキリスト教 第2章 ナショナリズムと戦争 第3章 キリスト教徒はなぜ戦争がうまいのか 第4章 ヨーロッパのシステムは普遍的なのか 第5章 核の脅威と国際社会 第6章 イスラームは国際社会と、どのように調和するのか 第7章 破滅的な核戦争を防ぐ智慧を持てるか
武力ではなく、愛と祈りによる紛争解決をもとめて
パレスチナに生まれ難民となったアラブ人司祭が発信する、パレスチナ人もイスラエル人も含めすべての人を抑圧と差別から解放し、正義に基づく平和を実現させる道。
偽りの“神話”を解体する。パレスチナは民なき地ではなかったし、ユダヤ人は国なき民ではなかった。シオニズムは民族解放運動ではなかったし、暴力と略奪のうえに成立したイスラエルは民主主義国家ではない。中東現代史における欺瞞を暴き、共存の道を新たに描く。
第1部 過去の虚偽(パレスチナは無人の地であった;ユダヤ人は土地なき民族であった;シオニズムはユダヤ教である;シオニズムは植民地主義ではない;一九四八年にパレスチナ人は自ら居住地を捨てた;一九六七年六月戦争は「やむを得ない」戦争であった) 第2部 現在の虚偽(イスラエルは中東で唯一の民主主義国家である;オスロー合意に関する諸神話;ガザに関する諸神話) 第3部 未来の虚偽(二国解決案が唯一の道である) 結語 二十一世紀の殖民・植民地主義国家イスラエル
現代も消えない人種差別・民族差別の問題。 非暴力主義のもとに公民権運動を率い、「私には夢がある」と演説したキング牧師と、 27年間の投獄にも屈することなく南アフリカのアパルトヘイトを撤廃させたマンデラの生涯を描く。
小学校高学年から。
国家間の対立、民族衝突、一部富裕層による経済支配、環境資源の搾取や劣化など、あらゆる諸課題によって社会は引き裂かれており、世界は和解を求めて叫んでいる。ウガンダ育ちのカトリック司祭と、和解の働きに取り組むプロテスタント信徒が、新たなヴィジョンを指し示す。
2013年、第266代ローマ教皇となったフランシスコはアルゼンチン育ち。この南半球からの最初の教皇はいま、世界の注目と敬意を集めている。なぜ、こうした教皇が生まれたのか。カトリック大陸ラテンアメリカにおける宗教の役割から、フランシスコの経歴、バチカンの状況等々、その背景をおさえ、この教皇が現在果たそうとしている課題や実績を明らかにする。
《目次》
はじめに
序章 宗教の復権 1 近代化と宗教──ウェーバーの逆説 2 教会と民主化──ハンチントンとカサノヴァの説2 3 カトリシズムと現代
第一章 カトリック大陸、ラテンアメリカ 1 ラテンアメリカ初の教皇の誕生 2 カトリシズムによる征服と植民 3 独立と教会 4 現代の国家と教会
第二章 教皇フランシスコへの道 1 イタリア移民の息子ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ 2 イエズス会士時代──入会から管区長へ 3 「汚い戦争」の拡大と教会 4 スラムに通う大司教2 5 二〇一三年教皇選挙
第三章 バチカンの動向 1 ローマ教皇庁とバチカン市国 2 近代化への抵抗 3 ヨハネ二三世とカトリック世界の現代化 4 パウロ六世の南北問題への関心 5 冷戦終焉の立役者、ヨハネ・パウロ二世 6 「正統主義の番人」ベネディクト一六世
第四章 アフリカとアジアでふえるキリスト教徒 1 信徒の趨勢 2 アフリカ──独立教会の展開 3 アジア──多様な宗教世界
第五章 民主化を促した教会──冷戦体制崩壊へ 1 ラテンアメリカの解放の神学 2 軍政の人権侵害と戦った南米の教会 3 中米の内戦と教会 4 南欧・アジア・アフリカ・東欧の民主化と教会
第六章 プロテスタントの拡大とカトリックの対応 1 福音派とペンテコステ派の隆盛 2 カトリック・カリスマ派の台頭 3 宗教的多元化のゆくえ
第七章 教皇フランシスコの課題と実績 1 バチカン改革 2 モラルをめぐって 3 エキュメニズム──宗派間・宗教間対話 4 キューバと中国──共産主義国との関係
終章 回勅『ラウダート・シ──ともに暮らす家を大切に』 ──環境・人権・平和
あとがき
日本の国際政治研究からほぼ捨象されてきたキリスト教という要素を、バチカンと国際規範や国際機構との関わりという観点から見直し、そのダイナミックな国際社会へのインパクトを俯瞰する。
【目次】 序章 バチカンと国際政治 第1章 第一次世界大戦前夜から戦間期まで――国際的中立宣言と大戦への関与 第2章 戦間期から国連設立まで――バチカンの主権回復と国際関係 第3章 バチカンと国際労働機関 第4章 バチカンと世界プロテスタント教会協議会 第5章 バチカンのリアリズム外交――欧州安全保障政策との関係 第6章 冷戦終結――ヨハネ・パウロ二世と欧州の安全保障協力 第7章 教皇フランシスコの闘い 終章 バチカンと国際機関・組織――宗教と国際政治研究の意義
辺野古の海の番人・われらが金井船長は今日も荒れた弾圧の海に愛船「不屈」を漕ぎだす。13年前初めて舵を握った金井牧師を見ていた私は、年々闘う強さを身につけながらも漁師や海保に穏やかに語り続ける優しさを倍増させていく彼の心の在り方を知りたいと本書を手に取った。圧倒的な力を前に絶望しか生まれてこないはずのこの海からなぜ希望が湧き上がってくるのか。答えは、現場の視点で記録された激動の日々の中に鮮やかに浮かび上がっていた。 【ジャーナリスト/映画監督 三上智恵氏】
いま私たちが直面する喫緊の課題にいかに応えるか
戦争、貧困、環境破壊、難民、文化的アイデンティティと伝統、異なる者同士のコミュニケーション、そして教会のあり方等々のテーマをめぐり、フランスの著名な社会学者が1年間12回にわたって教皇に行ったロングインタビュー。しかしここには、単なるインタビューに留まらぬ、真に対話の名に値する言葉のやり取りがあり、読む者はたちまち引き込まれるであろう。11月に来日が噂される教皇。その思想をより深く理解するための絶好の書。
ラルシュ・コミュニティの創立者であるジャン・ヴァニエが、障がいをもつ「なかま」たちから学んだ教訓を語る
ハーバード大学神学部での2つの講演を書籍化。ヘンリ・ナウウェンのまえがき
多くの痛み、敵意、憎しみ、暴力、不平等、抑圧が存在するこの狂気の世界で、わたしたち個々にとっても、この世界にとっても、いのちと救いの源となりうるのは、弱く、拒絶され、底辺におかれ、役に立たないとみなされている人たちなのだ、というのがわたしの信念なのです。(本文より)
中東和平への道筋が未だ見えない中、ユダヤ教徒でありイスラエル人である著者が、長年の取り組みをもとに、パレスチナの隣人に宛てた手紙を通して信仰者同士の対話を促す画期的な書。イスラエルの地はユダヤ人のアイデンティティにどのような意味を持つのかを語りかけ、アブラハムの子孫であるユダヤ教徒、イスラム教徒が共に、「祝福の基」となることを願い、対話を呼びかける。
第二次世界大戦を挟む激動の20世紀に翻弄されながら、沖縄と台湾を舞台に生き抜いた女性・宮城菊。彼女が記したノートと聞き取り、周囲の関係者へのインタビューから菊の半生を辿ることで、台湾・沖縄・朝鮮・日本の関係史を描きなおし、ひとが「生きる」こと、「生きたこと」の証を捉えなおす。国、言葉、貧困、戦争、信仰――さまざまな〈境界〉のなかで生きる人びとから見える、新たな歴史像。
序章 軌跡を辿り、歴史を開く―経験の歴史学に向けて 第1章 沖縄から台湾へ―経験のゆくえと生存のかたち1 第2章 植民地台湾での暮らし―経験のゆくえと生存のかたち2 第3章 基隆「水産」地域の形成と発展―国際港湾都市・基隆としての面目 第4章 『無言の丘』の歴史叙述―経験・場・東アジア 第5章 顕現する東アジア―経験のゆくえと生存のかたち3 第6章 喜友名嗣正が見た沖縄/日本 第7章 菊のキリスト教実践―経験のゆくえと生存のかたち4 終章 「菊」から「私たち」の物語へ
白血病のため病臥していた永井隆博士は、如己堂と呼ばれる二畳ほどの建物の中で二人の子どもと生活しながら、『長崎の鐘』、『この子を残して』など数多くの著書を書いた。だが彼が残したものは書籍だけではなかった。本書はカトリック信徒であった永井隆博士が自らの死を覚悟し、「十字架の道行」と呼ばれるキリストの死に至る十四の場面を、実弟永井元の助けを借りながら描いたと言われる絵画について、長年キリシタン研究を重ねて日本に帰化したイエズス会司祭、結城了悟神父が解説したものである。