日本初・女性初の国連難民高等弁務官として、10年間、世界の難民のために尽力した緒方貞子。退任後の数年間、パーソナル・アシスタントとして近くでその姿を見続けた著者が、その生涯と強みを語る、「緒方貞子」の入門書。対象中学生以上。
第1章 緒方貞子という人(巨星堕つ;曽祖父は犬養毅 ほか)第2章 UNHCRを知っていますか(緒方貞子は知られているが;難民とは ほか)第3章 緒方貞子ならではこそ(第八代国連難民高等弁務官に就任;私とUNHCRの前途には何が待ち受けているのだろう ほか)第4章 緒方貞子のバトンを受け継ぐ(バトンをつなぎたい;緒方の強み1 並みはずれた体力 ほか)
いくつかの地域の事例を通じて、「土着的近代」を考える材料を提供し、従来の「資本主義vs社会主義」という枠組みだけでは捉えることができなかった、平和構築の主体者としての人間の意識化・主体化・連帯の新たな視点を提起する。
第1章 アリー・シャリーアティーにおける宗教と社会変革第2章 南アフリカのアパルトヘイト撤廃運動における宗教の役割第3章 南アフリカにおけるキリスト教徒と社会主義者の連携第4章 日本の「近代」国民国家形成期における宗教と社会変革第5章 韓国における東学運動と社会変革第6章 戦後日本における仏教と社会変革終章 土着的近代と非暴力的・平和的共生世界の構築寄稿「土着的近代」で再び繋がる東アジア(趙晟桓)
戦争責任、靖国、反核、世界平和――。戦後日本の宗教界は、戦争協力への反省から、平和運動に活発に取り組んできた。その軌跡を辿り直し、戦後社会におけるその意義を問う。
ナチによるユダヤ人虐殺といった史実について、意図的に歴史を書き替える歴史修正主義。フランスでは反ユダヤ主義者の表現、ドイツではナチ擁護として広まる。1980年代以降は、ホロコースト否定論が世界各地で噴出。独仏では法規制、英米ではアーヴィング裁判を始め司法で争われ、近年は共産主義の評価をめぐり東欧で拡大する。本書は、100年以上に及ぶ欧米の歴史修正主義の実態を追い、歴史とは何かを問う。
なぜあのようなことが起こりえたのか。終わりのない問いに向き合うために道標。最新の研究動向や論点がこの一冊でわかる。詳細な註と索引、文献リストも完備。
序章 ホロコーストの包括的な歴史研究に向けて第1章 「最終解決」-計画したのはドイツか、それともヨーロッパか第2章 意思決定のプロセスを読み込む第3章 ホロコーストは近代が生んだのか第4章 人種科学-ナチ世界観の基礎だったのか第5章 ジェノサイド、ホロコースト、植民地主義の歴史第6章 ナチ文化の表現としてのホロコースト終章 奈落の底へ
略奪されたユダヤ人の財産は戦後、どのように返還されたのか。また、その補償はどのようになされたのか。例外的に成功を収めていった財産返還問題について、パレスチナ問題までをも視野に入れて論述していく。
第1部 略奪(アーリア化占領地域での略奪)第2章 返還(「ユダヤ民族」を相続人にドイツの返還公共財産の処分)第3部 補償(冷戦後の再展開アメリカの法廷でホロコーストを裁くホロコースト財産とイスラエル)
ユダヤ人はなぜ、第二次大戦後も「ヒトラーの国」を選んだのか。ホロコースト後のドイツに生きた「マイノリティ」の歴史。
第1章 解放(生存者たち;ユダヤ人として認識されないジレンマ)第2章 戦後ユダヤ人社会の形成(ゲマインデの結成;ユダヤ人DP;「殺人者の国」で;死者の財産は誰のものか)第3章 ドイツ社会のなかのユダヤ人(反ユダヤ主義と親ユダヤ主義のあいだ;アデナウアー体制とユダヤ人;補償;「詰めたスーツケースに座って」)第4章 岐路に立つユダヤ人社会(変容するユダヤ人社会;再燃する補償問題;ホロコースト世代の終わり)
★2018年に刊行した『ビジュアル版 世界人権宣言』(創元社)に、国際基督教大学の学生プロジェクトチームによる英訳を加え、日英仏3言語版として新たに刊行。
★2022年より、国際基督教大学の入学式で新入生に配布。
『世界人権宣言』の名前は、誰もが知っているだろう。しかし、この宣言を実際に読んだことがある人、さらには内容まできちんと理解している人は、それほどいないはずである。
そこで本書は、30条からなるこの重要な宣言を、イメージが呼びさます力に満ちたイラストを手がかりに、読みなおすことを提案する。 本書の試みに賛同した32人の現代アーティストが、自由、平等、教育、私生活など、人類共通の遺産の柱となる『世界人権宣言』の条文を視覚的に表現した。さらに、各条文に掲げられた重要なテーマを掘り下げ、反啓蒙主義との戦いを記録に残すため、古今の作家、哲学者、政治家たちによる珠玉の文章を紹介している。
先の大戦。シュバイツアーは「文化が衰弱したから戦争が起こった」と語った。
ロシアのウクライナ侵攻にも、その言葉が当てはまりはしないか。
北東アジアにおいても「危機」が増す今日。心ある人達に「今」こそ「平和」を伝えたい。
香港と日本の祈りが一つになった!
国家安全維持法下で揺れ動く香港のために、12人の牧師を中心に祈りの運動が立ち上がった――。2020年10月31日から始まった「香港を覚える祈禱会」。説教と祈りによる新しい教会的政治運動の姿がここに! 日本キリスト教史における画期的な祈りの運動の軌跡。
「香港を覚える祈禱会」呼びかけ人(五十音順)
①朝岡勝(日本同盟基督教団)、②大石周平(日本キリスト教会)、③大島重德(日本福音自由教会)、④大西良嗣(日本キリスト改革派教会)、⑤伽賀由(日本メノナイト教会)、⑥唐澤健太(カンバーランド長老教会)、⑦平野克己(日本キリスト教団)、⑧星出卓也(日本長老教会)、⑨増田将平(日本キリスト教団)、⑩三輪地塩(日本キリスト教会)、⑪松谷曄介(日本キリスト教団)、⑫森島豊(日本キリスト教団)
「極秘の仕事なので、口外してはいけません」―水路部部員の指導の下、二十分ごとの星々の高度と方位を算出する。海軍が航法に使う「高度方位暦」作成に動員された女学生たち。太平洋戦争末期、礼拝も学業も奪われながら、支え合って懸命に生きたモンペ姿の少女たちの記録。立教女学院の礼拝堂に秘められた物語。
立教高等女学校の戦争―戦時下、星の軌跡を計算した女学生たちオリオンに導かれた爆撃隊―クリスマスの夜のB‐29基地攻撃作戦 秘密兵器「光線爆弾」沖縄の空に消えた「第六銀河隊」―特攻で戦死した学徒士官と遺された母の哀しい物語定点気象観測船の戦い―旧海軍のオンボロ海防艦で超大型台風に挑んだ男たち南極観測船「宗谷」南へ!―国民の夢を乗せて 白い大陸に挑んだ戦後初の南極観測隊赤十字飛行隊長 われ今日も大空にあり―現役最年長九十歳のパイロット、元海軍搭乗員“淳さん”の戦中戦後
「どうして せんそう するの?」子どもたちが 大人たちにききました。でも、だれも こたえられませんでした。うみべ村、はたけ村、のやま村は、それぞれみんな楽しくくらしていました。日曜日には、ひろばにあつまって、たべて、のんで、うたって、おどる。ところがある日、ひろばに高いかべができて……。今、本当に考えたいことを、静かに語りかける絵本。
※本書は2018年に文芸社から出された同名の書籍をソフトカバーに変更して出版したものです。
"よかったね、よかったね。 Good. Good. Life is Good. 軽装版" の最低購入数は 1 です.
77年前「福音宣教」の名の下、フィリピンに派遣され、ある事件に巻き込まれBC級戦犯となった一人の神学生がいた――戦後、自らの罪を問いつつ、平和と和解を発信し続けた中田善秋。その遺した著作や証言から、日本の教会の戦争責任を見つめる。
聖書は「平和の福音」と言われるが、一方で旧約聖書には戦争や暴力の記事が出てくる。「好戦的」にさえ見える旧約の神ヤハウェは、「あなたの敵を愛しなさい」とイエスが教えた愛の神と同じ神なのか? 平和神学を奉じるメノナイトの旧約学者が、旧新約を貫く「平和のビジョン」を解き明かす。
戦時中に設置された敵国民間人抑留所の実態を明らかにする貴重な歴史証言!第二次世界大戦中に長崎の敵国民間人むけの抑留所に収容されていたときに原爆を体験したイギリス人カトリック修道女がフランス語で書いた回想録(1947年刊)の全訳に、訳者による解説「敵国民間人の抑留とマリー=エマニュエル修道女」を付し、日本のいわゆる「抑留所」の実態、歴史的位置づけを他国と比較しながら検証した貴重書。
〈目次〉日本でとらわれの身となったヌヴェールの聖ベルナデッタ修道会の一修道女――その原爆による解放第1章 香里にて、1940~42年第2章 神戸にて、1942~44年第3章 長崎にて、1944~45年第4章 帰国、1945~46年
解説 敵国民間人の抑留とマリー=エマニュエル修道女前編 太平洋戦争中の敵国民間人の抑留について抑留の概略/「抑留」の定義と強制疎開/アメリカでの日系人抑留との比較/歴史叙述の偏りと虚偽の証言
後編 マリー=エマニュエル修道女の軌跡戸籍名と修道名/ヌヴェール愛徳修道会と聖母女学院/来日と神戸での抑留/長崎にて/もう一冊のフランス語の日本抑留記/帰国とその後/本書の位置づけ
マリー=エマニュエル修道女略年譜
ウクライナ・キーウの月は、わたしたちが見上げている月と同じ月。世界的作家・ロダーリの絵本を、ウクライナ救援のために緊急出版。
敗戦後の新生ドイツを望み見て再建案を構想した人々
クライザウ・サークルとは、ナチに対し、ドイツ敗戦を見越して戦後の再建構想を練った、ユンカーをはじめ、神父や牧師、学者、労働運動指導者など、様々な人が参加したグループである。彼らの大半はゲシュタポに逮捕され、死刑に処せられた。本書は、この知られざる抵抗運動の中心人物であった法律家ジェームズ・フォン・モルトケの人物像と思想、とりわけキリスト教との関係を明らかにした労作。著者の遺作となった。
西側の「色めがね」を外して現実を見よ!ここまで現実がよくわかる世界情勢の本は誰にもかけない。プーチンの言い分が聞こえてくる恐ろしい本だ。 ―橋爪大三郎(東京工業大学名誉教授・社会学者)
「現世の話」「世俗社会」の常識は、ロシアに全く当てはまらない―。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、注目される世界情勢。
政治、軍事、経済、地理といった様々なレイヤーが複雑に絡み合う現実を、一般に考えられる要因だけでなく、文明・宗教を含めた多層的な観点で理解しよう、というのが本書の目的です。
西欧型の「植民地帝国」や「国民国家」を主とする従来の地政学ではなく、「宗教を基盤とする文明の中核を為す帝国」を主とする、「宗教地政学の視座」でロシア・ウクライナ情勢、世界変動の分析を試みる一冊!
序章 宗教地政学から読み解くロシア原論第一章 ロシアとはいったいどんな国なのか第二章 ロシア正教会とは第三章 宗教から見たロシアのウクライナ侵攻第四章 世界はどのように変化するか終章 ロシアとトルコの500年の戦いから見たロシアのウクライナ侵攻