新約聖書成立の背景や初期キリスト教会の歴史を知るのに重要・不可欠な資料、歴史研究の資料。
「一九七七年一一月に「旧約聖書外典II」が出版されたことによって、教文館版『聖書外典偽典』は当初予定していた本文全七巻の刊行を終了した。ところが、既刊七巻の内に収録されなかった旧約聖書偽典および新約聖書外典の翻訳出版を望む声が高まってきた。そこでわれわれは、それらの中から重要な文献を選び出し、補遺二巻を編集した。ここにお届けする「補遺I」には、旧約聖書の偽典を収録した。(略)本巻に収録された九(ないし一一)の文書はすべて本邦初訳である。しかもその内、日本の読者になじみの深いカウチ、チャールズの偽典集、ロストの『旧約外典偽典概説』に収録されているのは「第三マカベア書」、「ギリシア語バルク黙示録」、「モーセの遺訓(昇天)」、「アダムとエバの生涯(モーセの黙示録)」のみであり、他の五つの文書すなわち「ヨセフとアセナテ」、「アブラハムの遺訓」、「エレミヤ余録」、「ヨブの遺訓」、「預言者の生涯」は、それらには含まれていない。もちろん邦語の「聖書辞典」の類にもこれらはふれられていない。したがってこれらの五つの文書は邦語では今回初めて紹介されるものである。」(「はしがき」よろ)
[収録内容]
第3マカベア書、預言者の生涯、ギリシア語バルク黙示録(以上土岐健治訳)
アブラハムの遺訓(関根清三訳)
ヨセフとアセナテ(小河陽訳)
ヨブの遺訓、エレミヤ余録(土岐健治訳)
モーセの黙示録、アダムとエバの生涯、モーセの昇天、モーセの遺訓(以上小林稔、土岐健治訳)
"聖書外典偽典別巻 補遺1 旧約聖書編" の最低購入数は 1 です.
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「本巻所収の一一の諸文書は、『聖書外典偽典』第六、七巻所収の新約外典諸文書に比較して、外典としての価値が低いわけでは決してない。「ナザレ人福音書」と「フリア・ロギオン」を除く他の九文書は、いずれも本邦初訳であることを別としても、例えば「ペテロの黙示録」は、時代的にも内容的にも「パウロの黙示録」(第六感所収)に先行するものであるし、とりわけ「使徒たちの手紙」と「ソロモンの頌歌」は、近年学会の注目を引いてきた重要な外典である。これらが既刊の第六、七巻に収録されなかったのは、これらの巻の企画時に、文書の本文が入手困難であったり、本文の訳者に人を得なかったなど、まったく形式的な理由による。この度「別巻・補遺」の枠を与えられた機会に、右の困難を克服し、その他の理由により第六、七巻に収録されえなかった諸文書をも本巻に編み、もって、できうる限り多くの外典の邦訳を希望された読者の声に応えようとした次第である。」(「はしがき」より)
フリア・ロギオン(蛭沼寿雄訳)
ストラスブール・パピルス ソロモンの頌歌(大貫 隆訳)
ペテロの宣教(佐藤吉昭訳)
ペテロの宣教集(青野太潮訳)
ナハシュ派の詩篇(柴田 有訳)
第5、第6エズラ書(八木誠一・八木綾子訳)
預言者イザヤの殉教と昇天 使徒たちの手紙 ペテロの黙示録(村岡崇光訳)
ナザレ人福音書(荒井 献訳)
"聖書外典偽典別巻 補遺2 新約聖書編(OD版)" の最低購入数は 1 です.
重要な資料を分かりやすく解説!
旧約聖書の歴史書と新約聖書の間を結ぶ旧約聖書外典。
新約聖書と初期キリスト教の理解に不可欠な旧約聖書偽典。
本書ではこれらの重要な文書群が書かれた時期の社会状況と、各文書の特徴(内容、著作年代、思想など)を平易に解説する。
[目次]
1 ヘレニズム・ローマ時代のユダヤ史
2 ヘレニズム・ローマ時代のユダヤ民族のディアスポラ
3 旧約聖書外典
4 旧約聖書偽典
"旧約聖書外典偽典概説" の最低購入数は 1 です.
「本書に収録したのは、「偽典」に属する四つの文書である。「十二族長の遺訓」は、書名の通り族長達が死に臨んで語った言葉という形式をとり、現存の諸国語訳はヘブル語原典にさかのぼると考えられるが、成立年代および伝承の歴史には難しい問題もある。「ソロモンの詩篇」、「第四エズラ書」、「シリア語バルク黙示録」は、パレスチナ在住のパリサイ派の系統をひく著者達によって書かれたと考えられる。(略)本巻に訳出された文書は新約聖書との関係が浅くはない。詳細は各書の解説をみていただきたいが、成立場所・年代からいっても宗教史的にみても、新約聖書また初代キリスト教団の考え方の背景を示す点が大である。」(「はしがき」より)
十二族長の遺訓(及川博一、土岐健治訳)
ソロモンの詩篇(後藤光一郎訳)
第四エズラ書(八木誠一、八木綾子訳)
シリア語バルク黙示録(村岡祟光訳)
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「本企画の刊行の意義であるが、今日のプロテスタント教会が正典としている「聖書」以外に、これだけ多くの文書がユダヤ教・キリスト教教団の中で成立し、伝えられていることは、「正典」という概念をただ形式的にとり、これをドグマ的に固執することで問題は片づかないことをわれわれに教えるであろう。もちろんわれわれは教会が長い歴史の経過の中でその「正典」を結集したことの神学的意義を正当に認識するものである。(略)しかし聖書は聖典なるがゆえに信仰の規準なのではなく、その内容のゆえに聖書となるのである。ことに学問的に聖書を学ぼうとする者は「諸外典」をよく知らなければならない。」(「序」より)
第1エズラ書(村岡祟光訳)
第1マカベア書、第2マカベア書、トビト書、ユディト書(以上土岐健治訳)
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「旧約聖書外典の第二巻としての本訳書は、ベン・シラの知恵やソロモンの知恵のような旧約聖書正典の知恵文学に続く非常に重要な文書と、バルク書、エレミヤの手紙のように正典エレミヤ書と関係させられ、外典に入れられて伝えられたもの、マナセの祈りのように、イスラエルの歴史で重要な位置をしめる正典のマナセ王にちなんだ短い祈り、さらに正典ダニエル書に付加されてギリシア訳に入れられて伝えられ、正典との関連で重要な三文書、また正典のエステル記への付加文書を含む。前二者とその後の比較的短い諸書では意味がちがうが、共通なことは内容上、形式上─これは旧約聖書のギリシア訳の問題とも深くからむ─旧約聖書正典との深い関わりから、旧約聖書外典として重要なものである。」(「はしがき」より)
ソロモンの知恵(関根正雄訳)
ベン・シラの知恵(村岡祟光訳)
バルク書(森田光博訳)
エレミヤの手紙(小田島太郎訳)
マナセの祈り(藤村和義・土岐健治訳)
ダニエル書への付加―アザリヤの祈りと三人の若者の歌/スザンナ、ベルと龍(以上新見宏訳)
エステル記への付加(土岐健治訳)
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「本書には、旧約聖書の偽典の中から、ギリシア文化の影響を強く受けた、ヘレニズム時代のユダヤ教(徒)の文書を中心として収録した。(略)本巻に含まれている文書は「アリステアスの手紙」を除いて、すべて本邦初訳である。ユダヤ教、キリスト教の歴史にとってのみならず、ヨーロッパ精神史にとっても見逃すことのできないこれらの貴重な文献の邦訳が、わが国におけるヘレニズム時代研究を促進させる一助となりうることを願ってやまない者である。」(「はしがき」より)
アリステアスの手紙(左近 淑訳)
第4マカベア書(土岐健治訳)
シビュラの託宣(柴田 有訳)
スラヴ語エノク書(森安達也訳)
ピルケ・アボス(石川耕一郎訳)
"聖書外典偽典3 旧約偽典1 オンデマンド版" の最低購入数は 1 です.
旧約の歴史や思想を知るための重要な文献
モーセがシナイ山で聞いた世界の歴史(天地創造、ノアの洪水、アブラハムとイサク、モーセが律法を受け取る時まで)を49のヨベルの年毎に区分して語ったとされ「小創世記」とも呼ばれる「ヨベル書」と、悪の起源、天使の運命、ゲヘナやパラダイスの性格等が解説される旧約偽典最大の書物「エチオピア語エノク書」を収録。
待望のオンデマンド版復刊!
「本書には、「ペテロ行伝」「パウロ行伝」「ヨハネ行伝」「アンデレ行伝」「トマス行伝」──計五つの外典行伝が収録されている。この他にも比較的初期に成立した外典行伝の中に「ペテロと十二使徒の行伝」があり、この本文はすでに公刊されているが、これはコプト語「ナグ・ハマディ文書」の一部であるので、本企画第六巻の「はしがき」に書いた理由によって本書の訳出は他日に期したい。(略)本巻は『聖書外典偽典』全七巻の最終巻に当る。これに「別巻」として予定されている『補遺』と『索引』が完成されれば、このような規模を有し、このように詳細な解説と註を具備した『外典偽典』は、著者の知る限り、世界にその類がないであろう。」(「はしがき」より)
『ヨハネ行伝(大貫 隆訳)』
『ペテロ行伝(小河 陽訳)』
『パウロ行伝(青野太潮訳)』
『アンデレ行伝(藤村和義・土岐健治訳)』
『トマス行伝(荒井 献・柴田 有訳)』
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一九四五年一二月、エジプト南部ナイル河畔の町で発見された古代キリスト教文書群「ナグ・ハマディ文書」。グノーシスと呼ばれた人々の人間観、宇宙観、宗教思想を伝える諸文書は異端の書として排除され、長く失われていた。死海文書と並び二〇世紀最大の発見と称され、千数百年の時を超えて復元された聖文書を精選する。
【目次】
はじめに……………大貫 隆凡 例諸文書略号表
イエスの知恵……………小林 稔 訳ペトロの黙示録……………筒井賢治 訳ヨハネのアポクリュフォン……………大貫 隆 訳トマスによる福音書……………荒井 献 訳エジプト人の福音書……………筒井賢治 訳ユダの福音書……………荒井 献 訳
ナグ・ハマディ文書とグノーシス主義……………荒井 献補注・用語解説・索引