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本書は、聖の実践と理論をもとに、聖なるものに関する経験、制度および概念論を大きく通観した、聖のテーマをめぐる一大パノラマとなっている。
ほぼ年代順に展開されるその叙述は、太古の時代から、異教、キリスト教の時代を経て、現代の世俗化時代へと及び、そのときどきの社会的・文化的文脈のなかで、聖をめぐる実践や認識のありようを簡潔に紹介、議論する。
学術的参照範囲は広く、宗教学をはじめ、文化人類学、社会学、心理学、哲学、文学、医学、精神分析など、これまで人文科学系の諸分野で言及されてきた関連成果の主要なもののほとんどを網羅。
初心者ならば聖の問題を概観する機会を、それより進んだ段階にある読者には聖の問題の全体を構造的に理解する機会を提供する。
また、宗教をとりまく現代文化の危機が表面化するなかで浮上した聖の問題を、哲学者の視点で考察。
第一部 聖なるものの実践(聖なるものの現象学/聖なるものの象徴体系 ほか)
第二部 聖なるものの理論(聖なるものの性質/聖なるものの批判 ほか)
長きにわたる伝承と修正の産物である聖書を、重要人物、逸話、地域、モチーフ、社会的風習や宗教的儀礼など100のテーマで解き明かす。
「旧約聖書のうちで一度に書かれた書はほとんどない。いずれの書も、長い歴史にわたる伝承と修正の産物である」(本書「編纂者」より)。パピルスや羊皮紙、犢皮紙に書かれた聖書は、その耐用年数ゆえに新たな巻物に書き写さなければならず、複写のたびに、何かが追加されたり削除されたり、修正が加えられる機会となる。「こうした修正は、書記とよばれる編纂者たちの仕事であった。書記たちは特定の巻物に携わり、新たな政治・神学的状況を考慮しつつ、テクストを加筆して伝承していた」(同前)。本書は、こうした聖書の成り立ちや、アブラハム、モーセなどの重要人物、天地創造やバベルの塔、ソドムとゴモラといった逸話、エジプトやエルサレム、シナイなどの地域のほか、モチーフ、社会的風習や宗教的儀礼など、多面的な角度から聖書全体を概観する。
[目次]地図まえがき旧約聖書略語表
旧約聖書100語一覧愛と性愛/悪魔/アダムとエバ/アッシリア/アブラハム/いけにえ/異国人/イザヤ/イシュマエル/イスラエル/一神教/エジプト/エステル/エズラ/エゼキエル/選び/エルサレム/エレミヤ/王/外典/割礼/神/奇跡/清さと汚れ/ギリシア/偶像/クムラン/啓示/契約/契約の箱/考古学/口承/洪水/五書/祭司/裁きと救い/サマリア、サマリア人/サムエル/死/士師/十戒/シナイ/詩編/釈義/祝福と呪い/出エジプト/贖罪(しょくざい)の山羊/諸書/女性/申命記/神話/聖/聖所/聖書の成立/正典/戦争と平和/創世記/創造/族長/ソドムとゴモラ/園/ソロモン/ダビデ/知恵/罪/ディアスポラ/天/天使/動物/土地/人間のありさま/バアル/バビロン、バビロニア人/バベルの塔/肥沃な三日月地帯/部族/ぶどう酒/ヘブライ人/ペルシア人/編纂者/暴力/捕囚/翻訳/マソラ学者/民数記/メシア/黙示文学、終末論/モーセ/ヤコブ/ヤハウェ/ユダヤ教/預言者/ヨシヤ/ヨシュア/ヨナ/ヨブ/律法/ルツ/歴史/レビ記
訳者あとがき古代ユダヤ史年表
さまざまな論争を呼ぶ100の用語を解説
「絶滅」「ジェノサイド」「ホロコースト」「フルブン」「ショア」「最終解決」「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」。いずれも同時期にヨーロッパのユダヤ人に対して行なわれた出来事を表わし、これらの言葉の選択/使用については議論となる。本書は、まずこれら7つの言葉の解説から始まる。それらがいつ、どのような意味で使われていたのか? その使われ方は時代とともにどのように変わっていったのか? 残りの93語は、7語に関連する、施設(「強制収容所」「絶滅収容所」「絶滅センター」「ガス室」「ガス・トラック」)、出来事(水晶の夜、ヴァンゼー会議、ニュルンベルク裁判)、人物(ヒトラー、アイヒマン、ハイドリヒ、ヒムラー)、作品(『シンドラーのリスト』『夜』『ショア』)等を解説する。 ショアに関連する記事や作品に触れる際、どの言葉が選択されているのか注意されたい。
聖なる異才の核心に迫る
裕福なユダヤ人家庭に生まれ、教育熱心な両親の元で育ったシモーヌ・ヴェイユ。16歳でバカロレア(大学入学資格試験)、22歳という若さでアグレガシヨン(大学教授資格試験)に合格するも、その12年後、わずか34年で生涯を終える。 本書は、シモーヌ・ヴェイユの兄であり数学者のアンドレ・ヴェイユから、「全集」(ガリマール社)の編纂を託され、2010年まで責任編集者を務めたフロランス・ド・リュシーによる待望のヴェイユ論である。ヴェイユの遺稿を手にしたカミュが「現代の唯一の偉大な精神」と呼んだように、この全集の編纂者は、34年の生涯にしては厖大すぎる量の書簡や日記、エッセーから何を読みとったのか。 「重力」「不幸」「神」「根を持つこと」など、ヴェイユが取り組んだテーマを解説しながら、その人生と魂の遍歴を描き、聖なる異才の核心に迫る。