一九四五年一二月、エジプト南部ナイル河畔の町で発見された古代キリスト教文書群「ナグ・ハマディ文書」。グノーシスと呼ばれた人々の人間観、宇宙観、宗教思想を伝える諸文書は異端の書として排除され、長く失われていた。死海文書と並び二〇世紀最大の発見と称され、千数百年の時を超えて復元された聖文書を精選する。
【目次】
はじめに……………大貫 隆凡 例諸文書略号表
イエスの知恵……………小林 稔 訳ペトロの黙示録……………筒井賢治 訳ヨハネのアポクリュフォン……………大貫 隆 訳トマスによる福音書……………荒井 献 訳エジプト人の福音書……………筒井賢治 訳ユダの福音書……………荒井 献 訳
ナグ・ハマディ文書とグノーシス主義……………荒井 献補注・用語解説・索引
拾遺(今まで漏れ落ちていたものを拾い集めて補うこと)――これほど似つかわしい言葉があろうか。
グノーシス主義の探究は新約聖書研究にとって不可欠・不可分の関係にあるとの信念から日本のグノーシス研究を長く牽引してきた著者が、ナグ・ハマディ文書の全体像からH・ヨナスの労作『グノーシスと古代末期の精神』までを改めてつぶさに逍遥し、グノーシス研究の道行きに散りばめられていた智の欠片を拾い集めた待望の書。
"グノーシス研究拾遺 ナグ・ハマディ文書からヨナスまで" の最低購入数は 1 です.