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説明
おびただしい柱列、過剰なまでの突起や彫刻、秩序や比例を超える高みをめざしたゴシック建築。
アミアン、ケルン、シャルトルなどヨーロッパの多くの都市に今も残るこれらの教会の異様な建築様式はなぜ生まれたのか。
聖堂内部は大自然のイメージで彩られ、故郷を追われた異教徒である農民たちの信仰心をキリスト教化するのに役立つ一方、その昇高性や過剰な装飾性は国王や司教たちの権威の格好の象徴となった。
ゴシック様式を論じるにとどまらず、誕生から受難そして復活にいたるまでを、歴史・社会・文化的な深みに降り立ち、十全に解き明かしたサントリー学芸賞受賞の意欲作。
ゴシック復活としてのガウディ論を追補した決定版。
第1章 ゴシックの誕生──自然とキリスト教の出会い(大自然への憧憬/死と笑いの聖性 ほか)
第2章 ゴシックの受難──変わる美意識、尖鋭化する宗教感情(戦争とペスト/宗教改革 ほか)
第3章 ゴシックの復活──近代はいかに中世を甦らせたか(ゴシック神話──イギリスの場合/生ける全体──ドイツの場合 ほか)
補遺 ガウディの願い──近代の二つの表情のなかで