説明
つくば市にある私塾“バッハの森”では、創設者であり聖書学者の石田友雄のもと、30年以上にわたり日々コラールの研究が続けられてきた。奏楽堂に佇む美しいアーレント・オルガンは東日本大震災で大きな被害を受けたが、“バッハの森”を愛する人々の力とアーレント自身の依頼による修理で見事に復活。ここに、長年のクラヴィコード演奏経験をもつ宮本とも子の独自のオルガン演奏アプローチにより、コラールの学びとオルガンの息吹が一体となった録音が誕生。まるでコラールを歌うかのように奏でられる魂の音楽に、“バッハの森”が育んできた宗教音楽への対峙と真摯な探求の、確かな軌跡を聴く。
アーティストについて
宮本とも子 1952年、東京に生まれる。 ジュリアード・プレ・カレッジ、聖心女子大学を経てニューイングランド音楽院学士課程、修士課程を優等で修了。 その後、オランダ政府給費生としてスウェーリンク・アムステルダム音楽院に学び、ソリスト・ディプロマを得る。 A.バーニー、故林佑子、H.フォーゲル、故K.ボルト、故L.F.タリアヴィーニ、各教授に師事。 1976年以来クラヴィコードを手元楽器としながら、欧州では16世紀から18世紀に建造されたオルガンで、 米国、日本では歴史的建造法に基づくオルガンで演奏活動を行う。 1980年以降、国内に広くクラヴィコードを紹介。 1982年~1998年の16年間はキース・ヒルの設計によるペダル・クラヴィコードを愛用した。 1989年、フェリス女学院大学山手キャンパスフェリスホールに 18世紀北ドイツ様式の石井記念オルガン(Taylor & Boody Organbuilders opus17)が設置されて以来、 2017年度までオルガンとクラヴィコードの担当教員を務める。 また1995年、マニアーノ国際クラヴィコード・シンポジウムで演奏して以来、 イタリア、ドイツ、米国、日本でマスタークラスを行う。 2004~2007年度、福井県立音楽堂ハーモニーホールふくいのオルガン設置にともない、 養成講座講師として県民のためのオルガン教育とオルガンの普及活動に従事。 現在、(一財)「バッハの森」でコラールの背景研究を学ぶ。 日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会、日本クラヴィア協会、英国クラヴィコード協会会員。