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牧会者として、聖書学者として、カルヴァンは「終末」をどのように捉えたのか?
青年期の「上昇的終末論」から、円熟期の「キリストの王国」実現という広大な幻へと展開していった彼の神学的軌跡を、主著『キリスト教綱要』のみならず、カテキズム・聖書注解・神学論文などを渉猟しながら歴史的・文脈的に明らかにした画期的な書。
「カルヴァンにとって「キリストの王国」は、完成に至る終わりの日まで絶えず前進を続ける、キリストの福音に基づく確かな支配であった。それ故、ジュネーヴの町で最期を遂げたこのフランス人亡命者は、自らとその諸教会に降りかかるあらゆる困難や妨害や後退にもかかわらず、神の回復(再創造)の業とこの世におけるキリストの統治が個人的かつ社会的に、霊的かつ現実に進展していることを信じて疑わなかったのである。」(本文より)
[目次]
第1章 序論(研究史概観/宗教改革期の終末論の思想史的背景/本研究の目的と方法)
第2章 初期カルヴァンの終末論(『仏語新約聖書序文』[1535年]/『クリュソストモス説教集』序文[1535年?]/『キリスト教綱要』初版[1536年] ほか)
第3章 《神学的モティーフ》としての終末論──1539年版『キリスト教綱要』(1539年版『キリスト教綱要』──方法論的変更/1539年版『綱要』における終末的主題の展開 ほか)
第4章 《神学論争》における終末論──『魂の目覚めについて』(死後の霊魂の教えについての歴史的概観/霊魂の不滅性についてのカルヴァンの議論 ほか)
第5章 《聖書釈義》における終末論──1546-1559年の聖書注解(『第一コリント書』/『第二コリント書』/『ヘブライ書』 ほか)
第6章 《神学論題(locus)》としての終末論──『キリスト教綱要』最終版(「復活」の教理の歴史的背景/カルヴァンの聖書注解における「復活」の教理 ほか)
第7章 《幻》としての終末論──旧約預言書注解(「キリストの王国」についての歴史的概観/『キリスト教綱要』における「キリストの王国」 ほか)
結論