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説明
<湾岸戦争この方、バブルのようにくり広げられてきた「正義」の横行を、一度見直すべき時が来たのではないか。肥大した正義は問題の解決にはならない。しかもその正義が第三者の判定を受けないなら、多国間の秩序は一層不安定になるだろう。そこにおいて、国連平和体制の基本原理であったはずの多国間主義も、「帝国」の行動を掣肘するような原理として働くとは限らないことが明らかになりつつある。残された希望は、それでも多国間の枠組みを活用して無益な戦争を避けようとする国々と、公式の多国間枠組みの外で戦争反対を唱える人々である。国際社会の「多数意見」は、いまや公式の多国間枠組みを見ただけでは判断できなくなっているのだ。>
国際問題を中心に、平和と人道のために現代世界に関与してきた著者の長年の思索のエッセンスを、一書にまとめる。
冷戦構造の解体から湾岸戦争、「民族紛争」、9・11、イラク戦争、国連安保理問題まで、その冷徹な現状分析の背後には、陶酔せぬこころでつねに事態に対処していく精神が息づいている。