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「三位一体の創造者なる神のかたちである人間」――ここに、人間について知りうること・知るべきこと、人間としてな しうること・なすべきことのすべてが凝縮して与えられ、 教えられている。
本書はこの聖書的教説・告白の開示の試みである。
序言 人間論の基本的脈絡
A.神学的人間論の意義と制約
── 聖書における人間描写の特徴から
1.神学的人間論の意義
2.神学的人間論の制約
B.教義学における人間論の位置
1.神論と人間論
2.人間論と他の諸教理
C.学際的研究における人間論
1.哲学から
2.社会学から
3.心理学から
4.生物学から
第1 部 神のかたちとしての人間
序 人間論における神のかたちの教説の意義
I.神のかたちの意味合いを求めて── 主な聖書章句から
A.旧約聖書
1.創世記1 章26 ─ 30 節
2.創世記5 章1 ─ 3 節
3.創世記9 章1 ─ 7 節
4.詩編8 章5 ─ 9 節
B.新約聖書
1.ローマの信徒への手紙8 章29 節
2.コリントの信徒への手紙二3 章18 節
3.エフェソの信徒への手紙4 章22 ─ 24 節
4.コロサイの信徒への手紙3 章9 ─ 10 節
5.ヤコブの手紙3 章9 節
C.神のかたちなるキリスト
序 神のかたちなるキリストへの言及の意義
1.コリントの信徒への手紙二4 章4 節
2.コロサイの信徒への手紙1 章15 節
3.ヨハネによる福音書14 章8 ─ 9 節
4.ヘブライ人への手紙1 章3 節
5.フィリピの信徒への手紙2 章6 ─ 8 節
6.まとめ
7.三重の関係における神のかたちの機能
II.神のかたちについての諸説── 史的瞥見
序
A.ローマ・カトリック神学
1.エイレナイオス
2.トーマス・アクィーナス
B.宗教改革神学
1.ルター派神学
2.カルヴァン
C.近代主義神学── シュライエルマッハー
1.宗教概念と自己意識
2.人間の原初的完全性
3.罪と贖い
D.現代神学── ブルンナーとバルト
1.ブルンナー
2.バルト
E.現代改革派神学── スキルダーとベルカワー
1.スキルダー
2.ベルカワー
III.全体性における神のかたち
A.全人性における神のかたち
1.人間理解における三分主義と二分主義
2.霊と肉の関係をめぐって
3.霊魂の起源
4.霊魂の不滅性1
非キリスト教的理解における霊魂の不滅性
キリスト教的理解における霊魂の不滅性
B.対神的次元における神のかたち3
1.神に対する類比的存在としての人間
2.契約的適合性
3.霊的十全性
C.対人的次元における神のかたち
1.人格的統合性
2.社会的存在
3.歴史的存在
4.人間存在の超越論的条件としての「性」性
D.対世界的次元における神のかたち
1.身体的存在としての人間
2.世界支配
3.文化形成
第2 部 神との契約における人間・
── 命の契約について──
序 教義学における契約論の位置
A.人間論に包摂する意義
1.神との契約における人間
2.堕罪論および救済論の正しい理解のために
B.契約論に対するキリスト論的規定
C.命の契約とは── 問題の所在
I.命の契約── 「業の契約」の真義
A.神のかたちと契約
1.創造と契約
2.宗教と契約
3.人間の社会的生と契約
B.業の契約の教理の歴史
1.古代教父および中世神学者
2.宗教改革期の大陸の神学者
3.宗教改革期の英国の神学者
4.発展した契約神学者
5.契約神学の積極的側面と消極的側面
契約神学の積極的側面
契約神学の消極的側面
C.命の契約の本質と諸側面
序 命の契約とは── 問題の所在
1.命の契約への疑義と擁護
2.命の契約論への基本的視点
3.恵みの契約との基本的共通点── 命の契約の論拠
4.命の契約の諸側面(まとめ)
5.命の契約の現況
第3 部 罪への堕落にある人間
序 堕罪論の意義と制約
A.堕罪論の重要性
1.神のかたちの逆説的表現としての堕罪
2.キリスト教救済論と堕罪論
── 恩恵的贖罪論の前提条件としての堕罪論
B.堕罪論の制約
1.聖書使信における堕罪論の位置── その“脇役”的位置
2.罪への堕落の起源── その謎
3.キリスト教における倫理的二元論
I.罪の根本的性格と諸側面
A.罪についての諸見解
1.ギリシア的二元論
2.ペラギウス
3.アウグスティーヌス
4.ローマ・カトリック神学
5.宗教改革者
6.近代神学者
7.現代神学者
B.神の律法と罪
1.罪の認識の源泉としての律法── 律法の消極的機能
2.罪への堕落の諸特質・諸側面── 堕落物語より
3.神のかたちに対する罪への堕落の影響
C.罪の主要諸側面
1.罪責としての罪
2.腐敗としての罪
3.罪としての悪と恥
D.原罪と罪の伝播
1.原罪と現行罪
2.罪の伝播
3.「赦されない」罪の問題
E.全面的堕落
1.全面的堕落に対する否定的立場
2.堕落の普遍性
3.救済的無力性
4.堕落と自由意志
II.罪に対する神の態度
A.罪への怒り── 死
1.罪への刑罰としての死
2.死の諸次元
B.罪と怒りの抑制── 「保持恩恵」の意義と制約
序 保持恩恵論の位置
1.保持恩恵論の関心と視点
2.保持恩恵の基本的作用
3.保持恩恵の恩恵性
第4 部 神との契約における人間・
── 恵みの契約について──
序 教義学における恵みの契約論の位置について
1.L・ベルコフ
2.岡田 稔
3.J・A・ヘインツ
4.G・スパイクマン
5.W・H・フェーレマ
6.まとめ
I.命の契約としての恵みの契約
A.命の契約の確立としての恵みの契約
1.恵みの契約と命の契約の共通点── 命の契約を成就した恵みの契約
2.恵みの契約と命の契約との相違点── 恵みの契約の「恩恵性」
3.契約の二面性── 契約の効力への視点をめぐって
4.「恵み」の契約の神学的意義
B.契約更新の歴史(贖罪史)としての旧約聖書
1.契約期の区分
2.契約と律法
3.律法の主要形態
C.イエス・キリストにおいて成就した恵みの契約
1.契約成就としてのキリストの贖罪
2.律法とキリスト者の生── 道徳律法の三効用
3.神の民の契約的生の射程
II.贖いの契約
序 別個の議論の望ましさ!?
A.聖書的,神学的論拠
1.ゼカリヤ書6 章13 節における「平和の契約」
2.三位一体の神の永遠の計画にある贖い
3.父なる神と子なる神との同意に基づく贖いの遂行
4.契約観念と結びついているメシア
5.神の究極的愛に根ざす信者の贖いの祝福
B.神学的考察の論点
1.三位一体の神と贖い
2.贖いの契約におけるキリストの職務遂行
3.贖いの契約と恵みの契約の異同
4.贖いの契約と選びの異同
C.贖いの契約の教理の意義と問題点
1.贖いの契約論の意義
2.贖いの契約論の問題性
III.人間と自然── 神の人格的被造物としての人間(附論)
A.神の国と人間存在
1.神の創造における人間と世界
2.神の国と人間社会
B.被造実在の基本構造
1.様態構造とその諸側面
2.被造実在における三大世界と人間社会
3.人間存在の四大構造── 人間の個性構造
C.創造世界における人間の位置──自然と人間の共存の真の意味
1.「世界」あるいは「自然」の意味
2.ホモ・アナロギクス── 神の被造物支配に類比的な人間の世界支配
3.世界支配の意味と条件
D.贖いにおける人間と環境── 創造の原理的回復・確立として
1.聖書における創造と贖罪の統一的理解
2.宣教論的課題としての環境倫理── 環境の主イエス・キリスト
3.キリスト者の課題と使命
結語
主要参考文献
あとがき