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《放蕩息子》のたとえが、時代や文化を越えて人々の精神にいかなる刺激を与え続けてきたかを、美術や文学を追跡しながら探る。
30 点以上の豊富な図版が読者の理解を助ける。また、テキストの精密な釈義を通して、このたとえが秘める指針を読み解く。
人間理性の万能感の行き着いた先は、制御を失った技術の暴走と自然環境の蕩尽だったのではないか。
私たちは真に成人した者として故郷に帰還することができるのか。
イエスのたとえから、真の希望のありかを探る。
第I部 キリスト教美術の中の《放蕩息子》
1 中世教会美術
2 宗教改革の時代の《放蕩息子》――デューラーとヒエロニムス・ボス
3 レンブラントの《放蕩息子》
4 ロダン以後バルラッハまで
5 現代美術の中の《放蕩息子》
1 マルク・シャガール
2 中国《剪紙》芸術の世界
3 渡辺総一の世界
第II部 《放蕩息子》の精神史
1 《放蕩息子》のたとえを読む
2 《放蕩息子》の精神史――古代教会から宗教改革まで
3 近代文学の中の《放蕩息子》――ジイド・リルケ・カフカ
4 《放蕩息子》の精神分析学的解釈――自己実現と影
5 《放蕩息子》と現代文明――明日への希望