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ペラギウスは本当に異端か?
「異端」の烙印を押されたペラギウスの原典に帰り、その神学の歴史的文脈を明らかにした研究。
「彼の使命は、彼自ら書き残したように、悩める人の心中に、「その人の本性の力と性質とを指摘して、何をなし得るのか目覚めさせ、新たな生きる意欲と希望とを喚起する」ことにあった。1500年前に排斥されたペラギウスの思想を解明すべくテキストに向かった私は、単に研究の成果としてのみならず、自らの現に生きた具体的体験として、「異端者」ではなく「教育者」、「扇動者」ではなく「預言者」としてのペラギウスに出会ったのである」(「はじめに」より)
[目次]
第一章 問題提起(帝国末期の社会状況/ローマ教会内外の問題状況/ペラギウスの略歴と著書 ほか)
第二章 古代パイデイア思想の枠組み(パイデイア思想の系譜/パウロ註解における基本的概念構成/模範と模倣 ほか)
第三章 神の義の諸相(資料史的予備考察/属性としての神の義/神から与えられる義 ほか)
第四章 信徒の教育(状況分析/実践的勧告/禁欲への奨励/女性への励まし ほか)
第五章 排斥の要因(思想史上のパラダイム転換/教会観の相違/原罪論の教理化)