世界的オルガニスト・児玉麻里は、旧東ドイツ主催のオルガン・フェスティバルに数年間、招聘され参加しました。バッハを生んだ国において、荒城の月や自らの作品など、日本人の心を堂々と演奏し、好評を博しました。その後も、広く海外に日本のオルガン文化を精力的に発信し続けています。その今はなきかの国での、貴重な体験をつづった得難い記録です。
西洋音楽史上の一大傑作でありながら、いまだ多くの謎に包まれた《ヨハネ受難曲》。度重なる改稿の末、作曲家が残したメッセージをバッハ研究の権威が読み解く。
13世紀にイベリア半島の中ほどにあったカスティーリャ・レオン王国の王アルフォンソ10世は、聖母マリアをたたえる詩歌を集成した。『聖母マリアのカンティーガ集』と通称される。それは『聖母マリアの讃歌集』、あるいは『頌歌集』とも言われる。カトリックでは『聖母マリア賛歌集』と記す。本書は、信仰と芸術の遺産とも言える『賛歌集』の中から5つの主題にふさわしい数篇のカンティーガを選んで読み解き、主題ごとに魅力を探る。
【目次】
第1章 カンティーガのめざすもの
第2章 聖母の軌跡のカンティーガ
第3章 聖地巡礼のカンティーガ
第4章 王の生涯のカンティーガ
第5章 無原罪聖母のカンティーガ
パイプオルガンってどんな楽器? どうやって弾くの?オルガンの構造の解説と演奏の姿勢から始まり、手鍵盤、足鍵盤をどう使うか、時代による奏法のちがいなど、実際に曲を弾きながら学んでいきます。初級から楽しめるオリジナル曲、有名なオルガン曲の抜粋や弾きやすい編曲を多数収録。画期的なオルガン教本です。*一般社団法人日本オルガニスト協会 推薦
§1 オルガンの歴史§2 音の鳴る仕組み§3 オルガンを鳴らすための準備§4 オルガンを鳴らしてみよう§5 タッチとリリース――オルガンの音の入り口と出口§6 パイプの風と呼吸を合わせて
Ⅱ オルガンの奏法
A アーティキュレーテッド奏法――タンギングして、しゃべるように
§1 手の奏法§2 ペダルの奏法§3 バロックのさまざまな音楽要素
B ノン・アーティキュレーテッド奏法――ヴォカリーズで歌うように
§1 手の奏法§2 ペダルの奏法§3 ロマン派のさまざまな音楽要素
Ⅲ パイプ、ストップ、レジストレーション
Ⅳ 総合練習曲
§1 バロックの様式§2 ロマン派以降の様式§3 ペダルのための練習曲
日々の信仰生活と日韓関係の良き未来のために・・・・・・
ゴスペルシンガー「是非ハルカ」として活動する羽島載憙(日本基督教団足利東教会副牧師)の音楽エッセイ。霊的葛藤を乗り越えて韓国から来日し、結婚・出産・卵巣がんを経験した著者が語る日本宣教への想い。著者が作詞作曲したゴスペルソングの楽譜も収録!
「秋でもないのに」「耳をすましてごらん」のヒット曲で知られ、70年代、カレッジフォークのブームを牽引した本田路津子。芸能界を引退後はゴスペルシンガーとして活動を再開し、透明感のある歌声で賛美歌を届けてきた。デビュー50周年を迎えた今語る、あの頃、そしてこれから。
カラーグラビア、ディスコグラフィ付き
新国立劇場首席合唱指揮者として、作曲家、キリスト者として、さまざまな音楽づくりに携わる著者が自らの体験から得た音楽観、音楽と祈りの深い関係、そして人間の生きる目的や意味について生き生きとした文体で熱く綴る。
【もくじ】
少しだけ長いまえがき――生い立ちから信仰の道まで
第1章 音楽は生きる歓び、いのちの輝き
音楽とは、かくも不思議なもの
名作曲家は本当に偉大か?
音楽とインスピレーション
よい音楽を作るために~協奏曲という共同作業
最も楽しんだ者が
第2章 音楽は祈りのなかで 祈りは音楽とともに
祈りに音楽は本当に必要か?
宗教とリズムの関係
カトリックの典礼と音楽
レクィエムについてのいろいろなお話
Missa pro Paceと奇跡
信仰もまた、最も楽しんだ者が
第3章 三澤洋史の超主体的音楽論
ああ、ベートーヴェン!
私の指揮法
アヴェ・マリア
関口教会への道
天上の輝きを求めて
今、心から伝えたい思いを「あとがき」として
本書に出てくる偉大な音楽家
「鳴り響く神学」の宇宙。『インヴェンション&シンフォニア』に込められた“感謝と平安の祈念”。諸作品に意図された聖書の世界とその神学的意味、特定のフィグーラが多彩に駆使された独自の作曲技法を解き明かす。1 『インヴェンチオ』の地平(ホ長調インヴェンチオと「喜び」のフィグーラ;訪れ来るものによってもたらされる「喜び」―「到来」とは何か;ホ長調インヴェンチオの構造)2 バッハのキリスト論―『マグニフィカート』BWV243a再考(BWV243aのテキストを読む;バッハのマグニフィカート;「エッサイの若枝の花」に関する補註;待望する魂―「聖なるもの」の到来)
バッハといえばフーガ―こうした結びつきはバッハが生きていた当時現代のように自明ではなかった。18世紀を通してバッハの音楽がどのように理解され「対位法の巨匠」として称揚・顕彰されていったか―そのメカニズムを、同時代の音楽美学の丹念な読解によってあぶり出す。新進気鋭のバッハ研究者による快著!序論第1章 ハイニヒェン―数学的音楽観としての対位法を批判する第2章 マッテゾン―対位法をめぐる伝統と革新第3章 マールプルク―「ドイツ、フーガ、バッハ」を語る第4章 キルンベルガー―バッハの作曲技法を継承する第5章 ライヒャルト―バッハ批評の異端児第6章 ネーゲリ―バッハの対位法作品出版に挑む結論
光 水 風 空 土 木々…私たちが生きている「ここ」には、すべてがある。満たされているよろこび、美しい恵みすべてのものへの感謝の祈りは、曲になり詩になり絵になりました。自然を讃美し平和を願うピアニストと画家からの、子どもたちへの贈りもの。二次元コードからオルガンの演奏を聴くことができます。楽譜付き。
「死の舞踏」が流布し、「我ら、死に向かって急ごう、罪を断ち切ろう……」の歌声が流れた時代。“死”が身近にあった人々の心の奥に潜んでいたものとは?『みんな彗星を見ていた』で15?16世紀の西欧出身の宣教師と日本のキリシタンの語られなかった真実に迫った著者が、リュートに魅せられ、再び時空を超える旅に出た。舞台はイングランドからヴェネツィア、スペインを経て文明の十字路コンスタンティノープルへ、さらにアンダルシア、ラバト、聖地エルサレムを巡って長崎へ――。誰もなし得なかったキリスト教の深淵へ迫る、待望の最新ノンフィクション!「羅針盤を信じ、イチかバチかでその針の指す方向へ向かってみれば、思いもかけない時代や空間へ立ち寄ることができた。リュートは、最高の旅の道連れだった」(目次)まえがき第1話 グリーンスリーヴス(イングランド民謡)第2話 ピーヴァ(ヨアン・アンブロージオ・ダルツァ)第3話 千々の悲しみ(ルイス・デ・ナルバエス)第4話 死に向かって急ごう(『モンセラートの朱い本』)第5話 天にあまねく 我らが女王よ(同)第6話 死の舞踏(ハンス・ホルバイン)第7話 聖母マリアの七つの喜び(カンティガ1番)第8話 聖母の御業に驚くなかれ(同26番)第9話 コンスタンティノープル包囲(同28番)第10話 コンスタンティノープルを守った聖母のイコン(同264番)第11話 右手を斬られたダマスコの聖イオアン(同265番)第12話 モーロ王の嘆き(グラナダのロマンセ)第13話 マラケシュを救った聖母の御旗(カンティガ181番)第14話 気がふれたホスピタル騎士団の修道士(同275番)第15話 殺されたユダヤ人の子ども(同4番)第16話 ユダヤ人に汚されたキリストの像(同12番)第17話 囚われ人は決して(「獅子心王」リチャード一世)第18話 聖人と福者第19話 サントスの御作業第20話 日本の殉教伝あとがき――不思議な宝箱
音楽とともに進み続けた教会の宣教。今日では伝統的な音楽から、ゴスペルやコンテンポラリーな音楽まで、さまざまなスタイル、ジャンルの音楽が教会で広く用いられている。また、教会の高齢化にともない、「若い世代を教会に呼び込むには、ゴスペルやワーシップソングなどを取り入れるべき」という、意見も一部からは聞こえてくる。はたして伝統的な教会音楽は現代の宣教にふさわしくないのか・・・・・・。教会と音楽、宣教におけるさまざまな問いに、賛美学や宣教学に精通した気鋭の神学者が応答。さらに現場の牧師の報告などを通して考え、これからの音楽を通した宣教、教会形成を考える。
宗教性を呼び覚ます音楽の力とは何か
アフリカ系アメリカ人音楽における最初の楽譜資料をもとに、その音楽性の精髄である〈即興性〉の仕組みと発展から考察する、本邦初の音楽学的「黒人霊歌」研究!
想起(アナムネーシス)せよ、失ったものを、新しい世界を
内閉したキリスト教会の限界を乗り越えるヒップホップの宗教性を論じた衝撃作、山下壮起著『ヒップホップ・レザレクション』。その視点を受け継ぎ、オバマ政権以降のアメリカと日本のヒップホップを、いまここに福音をもたらす力の源として鮮烈に描き出す。音楽ライター・二木信との共編のもと、著者講演や、BLMと共闘する黒人牧師の説教なども交え、救済の音楽文化としてのヒップホップの現在を伝える必携書、ここに誕生!
40年にわたって日本における讃美歌の歴史を追究してきた著者の集大成
近代以降の日本における讃美歌・讃美歌集の歴史についての論考と研究の先達たちの論文翻訳をまとめた集大成。明治期の讃美歌・聖歌、琉球語讃美歌に関する論考、日本讃美歌史上の重要人物である松本幹、鳥居忠五郎、安部正義、ジョージ・オルチンらに関する小論などを収録。
教会音楽はどのように、神の言葉を語りうるか
現代音楽とは全く異なる構想で創作された「聖歌」。その限りなく繊細な抑揚と神学的なテキスト解釈が織り成す、表現の豊かさに迫る。
J.S.バッハがオルガン編曲技法の粋を込めた『オルガン小曲集』全45曲の、演奏のための詳細な解説。各曲の原旋律、構造、音型の意味、歴史的背景、また、装飾音、運指法(ペダル含む)、レジストレーションなども詳述。曲集の練習順序、教会で使用するための『讃美歌21』対照表も収録。
世界的バッハ演奏の第一人者、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)音楽監督の鈴木雅明、待望の単著刊行!作曲家自身を超え、より崇高な価値へと世界中で再創造され続け、人々を惹きつけてやまないバッハの音楽。その音楽と、そこから溢れ出る恵みを我々に届けるために、楽譜と睨み合い、心に去来した様々な断片――マタイ、ヨハネ、ロ短調ミサ、カンタータ、指揮、オルガン、旅……。BCJファンが毎公演楽しみにしている定期公演プログラム「巻頭言」から、自身の著作集所収にふさわしい原稿を厳選。編み直し、書き下ろしの「キリスト教音楽 曲種ノート」やバッハの価値を改めて定義した序文(はじめに)、未公開写真などを加え、1冊の本としてまとめた。
『キリスト教と音楽』『古楽のすすめ』がロングセラーの著者、待望の新刊。広い音楽ファンに向けた、国際的活動豊かな日本人研究者による音楽史。従来の音楽史本は概論・定説による教科書的なものが多かったが、本書は著者の長年の研究から導き出される豊富な知識、独自の視点・推論を軸として一歩も二歩も踏み出した内容で、未来への橋渡しとなる。著者の専門のキリスト教音楽については、ヨーロッパ音楽の基礎として音楽史の流れの中で、とくに充実してわかりやすく書かれている。古代、中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、ロマン派以後という分類が一般的な歴史区分について、長年の研究に基づく見解から独自の考え方による区切り目を示し、時代の変換期の記述が興味深く展開する。研究者のみならず一般のクラシックや音楽ファンに向けて著者によるヨーロッパ音楽史の体系・構造を示すことで、各時代の音楽の新たな魅力を再発見でき、聴いてみたくなるのは必至。
好評の『名曲が語る音楽史』の改訂版。第二部 バロックの第1章 感情表現としての音楽が新たに書き下ろされ、第五部 現代の内容が一新した。前者では通奏低音の発生が考察され、第2章の拍子論と組み合わされて、バロック理解のための構成が整えられた。後者の第1章 新しい響きを求めてでは、19世紀ロマン派から次の時代への移行期に何が起きたのかが包括的かつ具体的に論じられる。同第2章 「現代音楽」としてのポピュラー音楽では、ポピュラー音楽を音楽史の流れの中で位置づけた。こうして、改訂版は副題どおり「グレゴリオ聖歌からポピュラー音楽まで」の西洋音楽史を、いっそう俯瞰的に網羅することになり、音楽史を考えるための主要テキストとして更に充実した。本書の大きな特色である名曲から具体的に「アナリーゼで解き明かす」アプローチは、改訂でも一貫している。
過去の音楽をただ知識として受け入れるのではなく、一人一人が、自分自身と音楽との関わりを歴史的脈絡を通じて考えるための新しい音楽史が登場! 全体は通史の形を取らず、重要なトピック「現代の音楽史観とは」「バロック時代・バロック音楽とは」「楽器の技術と音楽の変化の関係」「多声の組織化と鍵盤楽器の関係」「宗教と音楽の関係」「ジェンダー論の観点から見たバロック音楽」「中世的な音楽史観の浸透と変化」を扱う7章からなる。