J.S.バッハがオルガン編曲技法の粋を込めた『オルガン小曲集』全45曲の、演奏のための詳細な解説。各曲の原旋律、構造、音型の意味、歴史的背景、また、装飾音、運指法(ペダル含む)、レジストレーションなども詳述。曲集の練習順序、教会で使用するための『讃美歌21』対照表も収録。
教会音楽はどのように、神の言葉を語りうるか
現代音楽とは全く異なる構想で創作された「聖歌」。その限りなく繊細な抑揚と神学的なテキスト解釈が織り成す、表現の豊かさに迫る。
想起(アナムネーシス)せよ、失ったものを、新しい世界を
内閉したキリスト教会の限界を乗り越えるヒップホップの宗教性を論じた衝撃作、山下壮起著『ヒップホップ・レザレクション』。その視点を受け継ぎ、オバマ政権以降のアメリカと日本のヒップホップを、いまここに福音をもたらす力の源として鮮烈に描き出す。音楽ライター・二木信との共編のもと、著者講演や、BLMと共闘する黒人牧師の説教なども交え、救済の音楽文化としてのヒップホップの現在を伝える必携書、ここに誕生!
40年にわたって日本における讃美歌の歴史を追究してきた著者の集大成
近代以降の日本における讃美歌・讃美歌集の歴史についての論考と研究の先達たちの論文翻訳をまとめた集大成。明治期の讃美歌・聖歌、琉球語讃美歌に関する論考、日本讃美歌史上の重要人物である松本幹、鳥居忠五郎、安部正義、ジョージ・オルチンらに関する小論などを収録。
宗教性を呼び覚ます音楽の力とは何か
アフリカ系アメリカ人音楽における最初の楽譜資料をもとに、その音楽性の精髄である〈即興性〉の仕組みと発展から考察する、本邦初の音楽学的「黒人霊歌」研究!
音楽とともに進み続けた教会の宣教。今日では伝統的な音楽から、ゴスペルやコンテンポラリーな音楽まで、さまざまなスタイル、ジャンルの音楽が教会で広く用いられている。また、教会の高齢化にともない、「若い世代を教会に呼び込むには、ゴスペルやワーシップソングなどを取り入れるべき」という、意見も一部からは聞こえてくる。はたして伝統的な教会音楽は現代の宣教にふさわしくないのか・・・・・・。教会と音楽、宣教におけるさまざまな問いに、賛美学や宣教学に精通した気鋭の神学者が応答。さらに現場の牧師の報告などを通して考え、これからの音楽を通した宣教、教会形成を考える。
「死の舞踏」が流布し、「我ら、死に向かって急ごう、罪を断ち切ろう……」の歌声が流れた時代。“死”が身近にあった人々の心の奥に潜んでいたものとは?『みんな彗星を見ていた』で15?16世紀の西欧出身の宣教師と日本のキリシタンの語られなかった真実に迫った著者が、リュートに魅せられ、再び時空を超える旅に出た。舞台はイングランドからヴェネツィア、スペインを経て文明の十字路コンスタンティノープルへ、さらにアンダルシア、ラバト、聖地エルサレムを巡って長崎へ――。誰もなし得なかったキリスト教の深淵へ迫る、待望の最新ノンフィクション!「羅針盤を信じ、イチかバチかでその針の指す方向へ向かってみれば、思いもかけない時代や空間へ立ち寄ることができた。リュートは、最高の旅の道連れだった」(目次)まえがき第1話 グリーンスリーヴス(イングランド民謡)第2話 ピーヴァ(ヨアン・アンブロージオ・ダルツァ)第3話 千々の悲しみ(ルイス・デ・ナルバエス)第4話 死に向かって急ごう(『モンセラートの朱い本』)第5話 天にあまねく 我らが女王よ(同)第6話 死の舞踏(ハンス・ホルバイン)第7話 聖母マリアの七つの喜び(カンティガ1番)第8話 聖母の御業に驚くなかれ(同26番)第9話 コンスタンティノープル包囲(同28番)第10話 コンスタンティノープルを守った聖母のイコン(同264番)第11話 右手を斬られたダマスコの聖イオアン(同265番)第12話 モーロ王の嘆き(グラナダのロマンセ)第13話 マラケシュを救った聖母の御旗(カンティガ181番)第14話 気がふれたホスピタル騎士団の修道士(同275番)第15話 殺されたユダヤ人の子ども(同4番)第16話 ユダヤ人に汚されたキリストの像(同12番)第17話 囚われ人は決して(「獅子心王」リチャード一世)第18話 聖人と福者第19話 サントスの御作業第20話 日本の殉教伝あとがき――不思議な宝箱
光 水 風 空 土 木々…私たちが生きている「ここ」には、すべてがある。満たされているよろこび、美しい恵みすべてのものへの感謝の祈りは、曲になり詩になり絵になりました。自然を讃美し平和を願うピアニストと画家からの、子どもたちへの贈りもの。二次元コードからオルガンの演奏を聴くことができます。楽譜付き。
バッハといえばフーガ―こうした結びつきはバッハが生きていた当時現代のように自明ではなかった。18世紀を通してバッハの音楽がどのように理解され「対位法の巨匠」として称揚・顕彰されていったか―そのメカニズムを、同時代の音楽美学の丹念な読解によってあぶり出す。新進気鋭のバッハ研究者による快著!序論第1章 ハイニヒェン―数学的音楽観としての対位法を批判する第2章 マッテゾン―対位法をめぐる伝統と革新第3章 マールプルク―「ドイツ、フーガ、バッハ」を語る第4章 キルンベルガー―バッハの作曲技法を継承する第5章 ライヒャルト―バッハ批評の異端児第6章 ネーゲリ―バッハの対位法作品出版に挑む結論
「鳴り響く神学」の宇宙。『インヴェンション&シンフォニア』に込められた“感謝と平安の祈念”。諸作品に意図された聖書の世界とその神学的意味、特定のフィグーラが多彩に駆使された独自の作曲技法を解き明かす。1 『インヴェンチオ』の地平(ホ長調インヴェンチオと「喜び」のフィグーラ;訪れ来るものによってもたらされる「喜び」―「到来」とは何か;ホ長調インヴェンチオの構造)2 バッハのキリスト論―『マグニフィカート』BWV243a再考(BWV243aのテキストを読む;バッハのマグニフィカート;「エッサイの若枝の花」に関する補註;待望する魂―「聖なるもの」の到来)
新国立劇場首席合唱指揮者として、作曲家、キリスト者として、さまざまな音楽づくりに携わる著者が自らの体験から得た音楽観、音楽と祈りの深い関係、そして人間の生きる目的や意味について生き生きとした文体で熱く綴る。
【もくじ】
少しだけ長いまえがき――生い立ちから信仰の道まで
第1章 音楽は生きる歓び、いのちの輝き
音楽とは、かくも不思議なもの
名作曲家は本当に偉大か?
音楽とインスピレーション
よい音楽を作るために~協奏曲という共同作業
最も楽しんだ者が
第2章 音楽は祈りのなかで 祈りは音楽とともに
祈りに音楽は本当に必要か?
宗教とリズムの関係
カトリックの典礼と音楽
レクィエムについてのいろいろなお話
Missa pro Paceと奇跡
信仰もまた、最も楽しんだ者が
第3章 三澤洋史の超主体的音楽論
ああ、ベートーヴェン!
私の指揮法
アヴェ・マリア
関口教会への道
天上の輝きを求めて
今、心から伝えたい思いを「あとがき」として
本書に出てくる偉大な音楽家