聖書は「平和の福音」と言われるが、一方で旧約聖書には戦争や暴力の記事が出てくる。「好戦的」にさえ見える旧約の神ヤハウェは、「あなたの敵を愛しなさい」とイエスが教えた愛の神と同じ神なのか? 平和神学を奉じるメノナイトの旧約学者が、旧新約を貫く「平和のビジョン」を解き明かす。
ヘブライ語、アラム語の世界的権威による画期的な翻訳!
紀元前後のユダヤ教また新約聖書の背景を知る上で不可欠な死海文書。その中から最も重要な「創世記外典」「ハバクク書注解書」「共同体の規約」を精選して翻訳。
アラム語で書かれた「創世記外典」は聖典の「創世記」を、著者が想像を膨らませ、創世記をめぐって当時流布していた伝承を取り入れて創作した「当世風創世記」と呼んでもよい文書である。学界ではrewritten Bibleと呼ばれることもあり、死海文書の中には他にも幾つか例がある。残りの二書、「ハバクク書注解書」と「共同体の規約」はどちらもヘブライ語で書かれているが、前者はこれも死海文書の中にかなり多くの例のある文書群の一つで、後者は死海文書の中のかなりのものを執筆し、あるいは教団成立以前に遡る文書を書写し、またそれを読んだクムラン教団の憲章とも言える内容的に極めて重要な文書である。(「はしがき」より)
聖書解釈学の最前線の手法と実践
日本屈指の旧約聖書学者による最新の論文集。自然と人間、食物規定(カシュルート)、平和(シャローム)の観念、申命記史書における王権・王朝の神学的理解など、旧約聖書の思想と文化の根幹に関わる主題を扱う。俯瞰的視点からの概観と緻密なテクスト分析により、多様性と緊張関係を超えた旧約聖書全体を貫く観念を描き出す。
ユダヤ教の伝承を軸として、アブラハム物語の示す現代的意味を呈示し、さらに現代精神やキリスト教の歴史に対する、哲学的・精神医学的・包括的な批判を通して、未来への希望を喚起する。
友人たちとの対話、神の語りかけの中で、ヨブは何を見いだしたか。今日にいたるまで多くの人に大きな問題を突きつけてきたヨブ記のメッセージをたどる。数千年の時間を超え、現代のキリスト者の心に新たな気づきを与える26編。
最新の学術研究も踏まえ、新約との訳語統一など大幅に刷新された「聖書協会共同訳」旧約聖書。「新改訳2017」や従来の「新共同訳」等と対比しながら、翻訳作業に携わった聖書学者・スタッフはじめ、日本の学界を代表する執筆陣が旧約全体から27項目を解説。『信徒の友』2020年度連載を増補改訂。
民数記の統一的神学を再構築した画期的な書!
人口登録、特殊な律法、反抗の物語、旅程、詩文等が、一見不可解な配列を見せる民数記。従来の資料分析では見えなかったその独特な文脈を解明し、テキスト全体に意図された「主の姿(テムナー)」を軸として展開される、壮大な神学的主張に迫る。
子どもを殺せとか、ムリでしょ!
旧約聖書には、神が横暴で残酷で好戦的だという印象を与える記述が少なくない。アブラハムに愛息イサクを捧げよと命じるなんて、たとえ試みだとしても、あんまりではないか。そんな箇所をどう解釈すべきなのか? 多くの人が疑問を抱くテキストを旧約聖書学の第一人者が取り上げ、それらの表現の意味と理由を考察し、神の真の「人柄」に迫った、目からウロコの異色の書。
イザヤ書が待ち望むメシアの姿
教会によってイエス到来の告知として捉えられてきたイザヤ書。前半部の「王預言」と後半部の「僕預言」という二つの主題において、メシア(=キリスト)はどのように預言されているのか。聖書テクストの最終形態を重視するカノン(正典)的解釈の手法に基づき、終末におけるダビデ的王とモーセ的預言者への待望論からイザヤ書の包括的理解を探る比類なき研究。
"【店頭在庫限り】旧約の預言と預言者" の最低購入数は 1 です.
象徴としての旧約テクストの解釈を通して,超越の顕現する時処を問う.神がいつ,どこに現われるかの象徴分析から,代贖思想の成立にいたる旧約思想を解明.ヘブライ語原典の本文批判に出発し,その倫理学的な根拠づけを試みる.英訳によって国際的評価も高い初版をめぐる,国内外の論評22篇を参看しつつ,ダイナミックな応答と考察を展開した「増補版研究ノート」を追補.
新しい旧約入門シリーズ、刊行開始!
旧約聖書の諸文書を章ごとに、ヘブライ語原典に基づいて要約し、新約聖書の視点からメッセージを解読する。創見に満ちた解釈を随所に盛り込み、聖書の学びが楽しくなる。旧約聖書の複雑多様な世界を読み進めるための好個の手引き書。全4冊。
「律法書」は、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の5書を扱う。
数百年にわたって作られ、集められてきた詩編。
詩編記者たちは、感謝と賛美を献げるだけではなく、
嘆きのうちに主に向かって叫び、
主が王となられて全地を平和で満たす時を
待ち望んでいます。
旧約聖書、また新約聖書の神の民は、
どのような思いで詩編に向かったのでしょう。
共に詩編を学び、味わいましょう。
収録詩編13編
1、2、3、5、19、23、32、37、72、96、97、145、148編
『聖書 聖書協会共同訳』本文付き
聖書協会共同訳準拠の「詩編」ガイドブック
多様な読み方が可能な詩編を、最新の聖書協会共同訳で味わうための道先案内となる、ガイドブックです。聖書協会共同訳の詩編の翻訳事業に携わり、各ご専門の分野の第一線でご活躍中の先生方による、それぞれの視点からの行き届いたレクチャーが、詩編の豊かな世界へ導いてくれることでしょう。
苦しみの中、励ましてくれる言葉に出会う。
危機の時代に一躍脚光を浴びている「コヘレトの言葉」。旧約聖書のなかの小さな文書には、生きづらさを感じなから、それでも生きていかざるを得ない私たちの背中をそっと押してくれるメッセージが込められている。「束の間を生きる」「時を待つ」「連帯を感じる」などのキーワードをもとに、世界でもなく、社会でもなく、「自分」が進むべき道をゆっくり考える。「コヘレトの言葉」の第一人者と、批評家・若松英輔がコロナ禍でおこなった、「こころ」をめぐる対話の全貌。大きな反響をよんだ「NHKこころの時代 それでも生きる 「旧約聖書 コヘレトの言葉」」の番組対談を出版化。2021年10~3月に再放送(Eテレ)。
私たちはどのように、旧約の思想を受け継ぐか――
試練と摂理、神の時、反応報主義……イスラエルの危機的時代に生まれた思想に、先の見えない現代を生きるヒントを探る。また、教会の礼拝や聖餐などの旧約的なルーツを辿り、旧約に連なる信仰共同体として教会が歩む意義を解き明かす。
四半世紀に及ぶ旧約学研究の成果となる、11の示唆に富む論考集!
ルター円熟期の詩編解釈
宗教改革者としての試練と闘いの中でルターを支えた詩編の言葉。生涯を通して詩編を愛したルターが、慰めに満ちたメッセージを説き明かし、独自のキリスト論的、人間的な考察を展開する。信仰の旅路を導く珠玉の3篇を収録。
ノアの方舟、アブラハムの一族、出エジプト――旧約聖書に書かれた物語は史実か、創作かを、考古学から検証する。歴史的出来事や当時の暮らしを明らかにし、聖書の豊かな世界へ誘う。
■ 聖書釈義=死海に存在した信仰共同体、クムラン教団による独自の旧約聖
書解釈(注解と釈義)。ユダヤ教諸派、原始キリスト教団のそれとの異同と
は。迫りくる終末に向けて。
収録文書=創世記注解、イザヤ書ペシェル、ホセア書ペシェル、ハバクク書ペシェル、詩篇ペシェル、フロリレギウム、終末釈義、聖書年代記……
長きにわたる伝承と修正の産物である聖書を、重要人物、逸話、地域、モチーフ、社会的風習や宗教的儀礼など100のテーマで解き明かす。
「旧約聖書のうちで一度に書かれた書はほとんどない。いずれの書も、長い歴史にわたる伝承と修正の産物である」(本書「編纂者」より)。パピルスや羊皮紙、犢皮紙に書かれた聖書は、その耐用年数ゆえに新たな巻物に書き写さなければならず、複写のたびに、何かが追加されたり削除されたり、修正が加えられる機会となる。「こうした修正は、書記とよばれる編纂者たちの仕事であった。書記たちは特定の巻物に携わり、新たな政治・神学的状況を考慮しつつ、テクストを加筆して伝承していた」(同前)。本書は、こうした聖書の成り立ちや、アブラハム、モーセなどの重要人物、天地創造やバベルの塔、ソドムとゴモラといった逸話、エジプトやエルサレム、シナイなどの地域のほか、モチーフ、社会的風習や宗教的儀礼など、多面的な角度から聖書全体を概観する。
[目次]地図まえがき旧約聖書略語表
旧約聖書100語一覧愛と性愛/悪魔/アダムとエバ/アッシリア/アブラハム/いけにえ/異国人/イザヤ/イシュマエル/イスラエル/一神教/エジプト/エステル/エズラ/エゼキエル/選び/エルサレム/エレミヤ/王/外典/割礼/神/奇跡/清さと汚れ/ギリシア/偶像/クムラン/啓示/契約/契約の箱/考古学/口承/洪水/五書/祭司/裁きと救い/サマリア、サマリア人/サムエル/死/士師/十戒/シナイ/詩編/釈義/祝福と呪い/出エジプト/贖罪(しょくざい)の山羊/諸書/女性/申命記/神話/聖/聖所/聖書の成立/正典/戦争と平和/創世記/創造/族長/ソドムとゴモラ/園/ソロモン/ダビデ/知恵/罪/ディアスポラ/天/天使/動物/土地/人間のありさま/バアル/バビロン、バビロニア人/バベルの塔/肥沃な三日月地帯/部族/ぶどう酒/ヘブライ人/ペルシア人/編纂者/暴力/捕囚/翻訳/マソラ学者/民数記/メシア/黙示文学、終末論/モーセ/ヤコブ/ヤハウェ/ユダヤ教/預言者/ヨシヤ/ヨシュア/ヨナ/ヨブ/律法/ルツ/歴史/レビ記
訳者あとがき古代ユダヤ史年表
「雅歌」を教会に、説教者の手に取り戻す!
「男女間の妖艶で、エロティックな相聞歌、女性解放の書」など特別扱いされてきた、くだんの古典を「謎解き」をテーゼとする「知恵文学」として読み直し、教会説教の主題となり得る鉱脈を探る。
旧新約を貫く「神の支配」の実現をテーマに、律法を真に回復させたイエスの視点で再解釈する。「十戒」にキリスト教倫理を読み取るだけにとどまらず、シナイ契約のコンテクストから旧約律法の意味を考える。
申命記と聞きますと、堅苦しい律法の繰り返しで正直読みづらいという人が少なくありません。本書では最初に申命記の位置づけやその重要さが説明されており、新鮮な期待をもって読み始めることができます。個人でもまたグループでも学びやすく構成されています。(「推薦の言葉」より)
"旧約聖書の教え[聖書協会共同訳対応版]" の最低購入数は 1 です.