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いま、私たちが住み込んでいる、終わりのある時間の枠組みは、いつ、どこで、つくられたのだろう。
終末に向けて直進する時間と、いま・ここで、そのつど創造され続ける時間──二つの時間意識の生成と交錯のドラマを追って、古代ユダヤ教とその周辺の諸文書を旅する。原初史物語から黙示文学まで、死海文書からグノーシス文書まで、そしてキリスト教の成立と、イエスとパウロをめぐって、世界像創出のシナリオを描く。
来世願望へと導くこの現実への呪いか、予定調和を破壊する知恵と罪の発見か。終末論と創造論の系譜を、キリスト教を生んだ壮大な文書の海を背景に浮かび上がらせる。人間の学としての聖書学の達成。