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説明
人はそれぞれ何か唯一のものを信じている。相対性も絶対的に、多様性も一元的に主張する。唯一の神が複数存在し、そのなかで人々がうごめく世界社会。誰もが共存を欲し、しかし自己の優越性は疑わない。包摂に逆らうものは排除され、寛容に抗うものは容赦されない。共有や通底、共同の感情形成は望めなくとも、せめて共鳴は可能か。宗教が拓く世界社会のコミュニケーションを論じていく。
【目次】
序 章 ポスト宗教時代の宗教――本書の前提 (土方 透)
第Ⅰ部 宗教の機能喪失とその未来
第1章 世俗化と宗教の未来 (ヨハネス・ヴァイス)
第2章 世界の脱呪術化、近代の学問、宗教の未来 (ヨハネス・ヴァイス)
第3章 脱宗教化という宗教と宗教が拓く未来――日本のパラドクス (土方 透)
第Ⅱ部 宗教から語る
第4章 他の宗教に語りかけることはできるか (土方 透)
第5章 ルターの自由理解は文化の壁を超えられるか (ゲルハルト・ヴェグナー)
第6章 日本のキリスト教に見る世俗と超越 (清水正之)
第Ⅲ部 宗教が拓くコミュニケーション
第7章 宗教は不可欠か (ニクラス・ルーマン)
第8章 宗教的コミュニケーションの社会的重要性 (ゲルハルト・ヴェグナー)
第9章 世界社会における人権、人間愛、そしてキリスト教 (ヨハネス・ヴァイス)
終 章 宗教的コミュニケーションの共鳴 (土方 透)