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宗教改革者ルターの信仰と神学は500年を経てなお何を語るのか。
歴史上の大きな節目である宗教改革五〇〇年の二〇一七年を頂点に幾多の記念の礼拝や行事また学びの催しが、ルーテル教会はもちろんのこと、日本でも世界でも行われました。私もまたそれに奉仕するように招かれては、あちこちで語りました。ルターが経験した福音の再発見、教会というものの捉え直し、キリスト者の生き方と時代と社会の諸問題への取り組みの刷新等、いずれも五世紀を隔てた私たちにも大きな示唆を与えるものばかりです。中には、批判的に学ぶ必要のあることも含まれています。(「はじめに」より)
【目次】より
[ルターの精神]ルターにとっての福音の喜び/五〇〇年目の宗教改革 争いから和解と一致へ/宗教改革の精神と現代日本人の心/Doingではなく、Beingで―宗教改革の精神が現代に語りかけること
[人間観]義人にして、同時に罪人
[教会論]福音に聴き、福音を証しする教会/ルター派教会、その歴史と特徴
[全信徒祭司性]賜物と課題としての全信徒祭司性
[キリスト者の自由]「キリスト者の自由」と自己実現/愛の奉仕
[礼拝論・賛美歌]礼拝に表されたルターの思い/ルターの礼拝改革と賛美歌
[社会倫理]神の創造と人間の責任/ルターの負の遺産―ユダヤ人との関わりで
[小教理問答]二枚の石の板と一つの御心―十戒/「我信ズ」の心―使徒信条/「天にまします我らの父」に地上から祈る―主の祈り
[アウグスブルク信仰告白]福音的、公同的な信仰告白―アウグスブルク信仰告白
[エキュメニカルな到達点]われわれは共にこう告白する―「義認の教理に関する共同宣言」/共に記念するために―『争いから交わりへ』