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説明
神の、キリストの、人間の〈感情〉は、何を教えてくれるか?愛と憎しみ、喜びと悲しみ――。
〈感情〉の微視的な分析をとおして存在するもの全てへの肯定と讃美を読み解く
人間論として『神学大全』を読み解く「トマス人間論」から学ぶ、生の技法。
キリスト教の教義に基づいた抽象的概念を駆使する難解な神学者として解されてきた、中世最大の思想家トマス・アクィナス。
本書では、そのような神学的枠組みを超え、トマスがありふれた日常的な経験である〈感情〉を微視的に分析し、独自の〈人間論〉を構築していることを明らかにする。
トマス哲学に通奏低音のように鳴り響く、存在するもの全体への肯定と讃美の旋律を描き出し、この世界を肯定的に受けとめ、生き抜く実践的な生の技法を説く書物として、最大の主著『神学大全』を読みなおす、意欲的な一冊。