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主著『現出の本質』をはじめとする著作群で絶対的な〈生〉と内在の思想を練り上げ、西洋哲学の歴史を批判するとともに、20世紀後半のフランス現象学に大きな足跡を残したミシェル・アンリ。レジスタンスに身を投じ、現代文明の野蛮やマルクスの可能性を論じ、小説作品も残した孤高の哲学者の全体像を、日仏の執筆者約30名が総力を挙げて多面的に描く。アンリ生誕100年・没後20年記念出版。
【目次】
まえがき
凡例
著作一覧
第Ⅰ部 ミシェル・アンリの軌跡 【川瀬雅也】
コラム❶ ミシェル・アンリの思い出 【ロラン・ヴァシャルド】
第Ⅱ部 西洋哲学史を読み解くミシェル・アンリ
1 アンリとドイツ神秘主義──『現出の本質』におけるエックハルト理解を中心に 【阿部善彦】
2 アンリと合理主義哲学──デカルト、そしてスピノザ 【上野 修】
3 アンリとフランス哲学──「感情」の哲学の系譜 【村松正隆】
4 アンリとカントおよびドイツ観念論──生と反省をめぐって 【服部敬弘】
5 アンリと生の哲学──情感性をめぐる解釈の葛藤 【伊原木大祐】
6 アンリとマルクス──「歴史の基礎は〈生ける諸個人〉にある」 【水野浩二】
7 アンリとドイツ現象学──現象の根源をめぐる対話 【景山洋平】
8 アンリとフランス現象学──意識の現象学から生の現象学へ 【加國尚志】
コラム❷ ミシェル・アンリのために 【ディディエ・フランク】
第Ⅲ部 ミシェル・アンリにおける主要テーマ
1 感情と自己──アンリの生の現象学の端緒 【北村 晋】
2 身体と肉──「主観的でありエゴそれ自体である身体」 【村瀬 鋼】
3 他者と共同体──アンリ哲学の外部という問題 【吉永和加】
4 無意識の探究──真理と誕生の経験 【本間義啓】
5 文化と野蛮──科学的文化と生の文化 【野村直正】
6 芸術の意味──拡張された生としての芸術 【本郷 均】
7 生の現象学とキリスト教──〈受─肉〉の現象学におけるキリストの言葉の役割 【古荘匡義】
8 アンリと文学
① 文学作品から引用するアンリ──真理への入口 【佐藤勇一】
② 小説を書くアンリ──「生」の真理と人間の社会 【村松正隆
③ [付録]『若き士官』紹介 【村松正隆】
コラム❸ 想い出 遙か ミシェル・アンリとの出会い 【松永澄夫】
第Ⅳ部 ミシェル・アンリと現代思想
1 アンリとリクール──アリーナとしてのマルクス解釈 【越門勝彦】
2 アンリとドゥルーズ──「内在主義」の同一性と差異 【米虫正巳】
3 アンリとデリダ──現前・ロゴス・生をめぐるニアミス 【亀井大輔】
4 アンリとナンシー──生と存在、(不)可能な交差 【柿並良佑】
5 アンリと西田幾多郎──「生の根底」に触れる 【杉村靖彦】
6 アンリと木村敏──「自己」をめぐる問い 【川瀬雅也】
7 アンリとラリュエル──生の現象学か非─哲学か 【米虫正巳】
8 アンリとバディウ──一瞬の遭遇 【米虫正巳】
9 アンリとジラール──「相互性」という病 【村松正隆】
10 アンリとマリオン──現象学の継承と深化 【伊原木大祐】
11 アンリとロゴザンスキー──不実な忠実さ 【本間義啓】
12 アンリと山形賴洋──内在の他性と流れ 【平光哲朗】
主要著作解題
1 『現出の本質』(一九六三) 【池田裕輔】
2 『身体の哲学と現象学─ビラン存在論についての試論』(一九六五) 【佐藤勇一】
3 『マルクス』(一九七六) 【松田智裕】
4 『精神分析の系譜─失われた始源』(一九八五) 【佐藤 愛】
5 『野蛮』(一九八七) 【根無一行】
6 『見えないものを見る─カンディンスキーについて』(一九八八) 【落合 芳】
7 『実質的現象学』(一九九〇) 【池田裕輔】
8 『共産主義から資本主義へ─破局の理論』(一九九〇) 【柿並良佑】
9 『我は真理なり─キリスト教の哲学のために』(一九九六) 【川瀬雅也】
10 『受肉─肉の哲学』(二〇〇〇) 【樋口雄哉】
11 『キリストの言葉』(二〇〇二) 【武藤剛史】
12 『スピノザの幸福』(二〇〇四) 『生の現象学』全五巻(二〇〇三─二〇一五) 【村松正隆】
13 小 説 【村松正隆】
ミシェル・アンリ略年表 【中村行志】
事項索引
人名索引