商品詳細
タグ
説明
古代末期から中世にかけて、キリスト教世界では聖人や聖遺物(聖人が身に着けたもの、触れたもの、聖人の肉体の一部など)への礼拝が盛んになり、それらを納める聖なる場所(聖堂、教会など)もまた聖性を帯びた。
こうしたモノや場所は、ほとんどの場合、聖職者や修道士によって聖人伝、奇蹟物語、儀式と結び付けられ、キリスト教信仰の基盤を固めるとともに、王権の強化や社会の統制にも寄与してきた。
本書ではこうした聖性イメージが西欧中世にいかなる影響を及ぼしてきたのか、古代末期から中世の終わりまでを対象に多角的に考察する。
はじめに
第1章 コンスタンティヌス大帝からカール大帝へ――キリスト教聖性の醸造
1 コンスタンティヌス帝――聖人・聖遺物・聖域の重視
2 聖遺物礼拝の高揚
3 ローマからフランクへ――キリスト教聖性の継承
4 カール大帝の教会政策――中世キリスト教の聖性の展開
第2章 権力者と聖性
1 「ノルマン・コンクエスト」と聖遺物
2 聖なる力に頼るフランスのカペー王権
3 ドイツの王(皇帝)と聖遺物
第3章 地域社会と聖なる力
1 コンクの聖女フォアの聖遺物
2 聖遺物の移動
第4章 修道院による聖性の創出
1 クリュニー修道院の創立と発展
2 モワサック修道院――聖域の創出と聖遺物の力
第5章 巡礼と伝承
1 サンティアゴ・デ・コンポステラと巡礼案内
2 ル・ピュイ――ガリア人の霊場に由来する聖地
3 ヤコブと聖母マリアによる奇跡物語
4 サンティアゴ・デ・コンポステラの町と聖堂
第6章 教皇、王と受難のキリスト―十字軍時代の聖性を導いたもの
1 聖地エルサレムをめざす巡礼と十字軍
2 聖王ルイの聖遺物収集と十字軍
第7章 教皇による列聖、王権の聖化――聖なる力による普遍的な権威の形成
1 教皇による列聖の独占
2 ルイ九世の列聖と王権の聖化
3 聖なる王
第8章 言葉による聖性の拡散と共有
1 説教
2 聖人伝集 ヴァラッツェのヤコブス『黄金伝説』
第9章 俗人による宗教運動と地域共同体――ルネサンスから近世へ
1 生きた聖女に群がる人々
2 南仏のマリアたちと民衆の祭り
3 聖遺物のコレクションと顕示
あとがき
索引
ご利用ガイド
