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説明
本書の分析の中心をなすのは、マグダラのマリアとペトロとの対立関係である。
この二人の競合関係をめぐる伝承は、地理的にも年代的にも広範囲にわたっているが、著者はこの二人がそれぞれイエスの復活顕現を個人的に受けたとされていることに着目し、対立についての伝承の起源を明らかにするため、初期キリスト教文献を検討していく。
このように第 2 章ではルカ、第 3 章ではヨハネを中心に、正典福音書間での描写の対比がなされているのであるが、この論証はきわめて興味深く、スリリングに進められていくので、ぜひ丹念に味わってほしい。
読みなれていたはずの復活記事、さらには福音書そのものが別のものに思えるほどである。
(訳者あとがきより)