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説明
一九六八年にテネシー州メンフィスで暗殺されたマーティン=ルーサー=キングがその生涯の最後に目指したものは、物指向のアメリカ社会の構造と価値観を根底から覆して、人間指向の「愛の共同体」に再創造することであった。
いったいキングにおけるこのラディカリズムの源泉は何であろうか。
本書は、この秘密に、あらゆる危機の時に彼を支えた奴隷制以来の黒人キリスト教の信仰伝統に視点を据えながら迫ろうとする企てである。
そして彼の抱いた夢が、単なるアメリカの夢を超えた人類の夢でもあることを解明する。