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終末は永遠の滅びか、永遠の救いか――? 新約聖書の最後で世界の終わりを暗示する「ヨハネの黙示録」。全体を貫く不吉なイメージに、誰がいつ書いたかもよく分からない(福音書のヨハネとは別人らしい)成立過程。歴とした正典でありながら、強烈な存在感を背負わされた問題の書。七つの○○、「666」、大いなるバビロン、千年王国、迫害と勝利……その強烈な個性は絶えず異端視する声を喚び、独特のカタルシスを生む。西洋美術、文学、思想から現代の漫画やゲームに致まで、深い影響を与えている謎の正典のすべてを、第一人者によるギリシア語原典からの全訳と解説で明らかにする。また82点にわたる図像をちりばめ、図像学者による解説を加える。
※本書の原本は、「新約聖書翻訳委員会」名義で1996年、岩波書店から刊行されました。
【目次】
原本はしがき
凡 例
旧約・新約聖書 諸文書略号表
ヨハネの黙示録
1 序文 冒頭の挨拶 予備の幻
2 エフェソにある教会に宛てた手紙 スミュルナにある教会に宛てた手紙 ベルガモンにある教会に宛てた手紙 テュアティラにある教会に宛てた手紙
3 サルディスにある教会に宛てた手紙 フィラデルフィアにある教会に宛てた手紙 ラオデキアにある教会に宛てた手紙
4 天上界での神の栄光とその賛美
5 小羊の即位
6 六つの封印の解除
7 幕間劇――信徒の保護
8 第七の封印 最初の四つのラッパ
9 第五のラッパ 第六のラッパ
10 幕間の出来事
11 二人の証人 第七のラッパ
12 女と子供と竜の幻
13 二匹の獣の登場
14 シオン山上の小羊とその信徒者たち 審判の時を告げる三人の天使 二種類の収穫
15 モーセと小羊の歌 七人の天使と最後の災い
16 七つの平鉢
17 大淫婦と獣 獣と淫婦の象徴
18 バビロンの滅亡 神の民への勧告 バビロンに対する嘆き
19 天上における勝利の歌 終末の緒戦
20 千年王国 サタンの最後的敗北 最後の裁き
21 天のエルサレム 新しいエルサレム(一)
22 新しいエルサレム(二) 奨励と結び エピローグ
解 説 小河陽
「ヨハネの黙示録」の図像学 石原鋼成
見出し目次
補注 用語解説